全国動物保健看護系大学協会会長挨拶


全国動物保健看護系大学協会



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会長 古川敏紀
(倉敷芸術科学大学生命科学部動物生命科学科)

全国動物保健看護系大学協会の会長を務めております古川敏紀でございます。

常々、全国動物保健看護系大学協会(大学協会)の活動にご支援を賜り誠にありがとうございます。

大学協会の活動目的は前会長の村上洋介先生が以下に書かれておられました事に要約されており、今もって色褪せていないことから、それを引用させていただきます。

『近年、世界各国において、動物の健康維持と動物福祉の浸透はもとより、人獣共通感染症対策や食品の安全確保へと年々拡大する獣医療への幅広い要請を受けて、獣医師のパートナーとして、ともにOne Healthを担う動物看護師をはじめとする獣医療技術職への期待が高まっています。

こうした情勢もあって、日本を含む178カ国(2013年末現在)で構成する政府間機関の国際獣疫事務局(OIE)は、動物看護師を含む獣医療技術職(Veterinary Para-professionals)を、「獣医師の責任と指示の下で規定された業務を遂行し、その権限を当事国の獣医事法定組織により付与された者」と定義し、陸生動物保健規約(Terrestrial Animal Health Code)の目的を達成するために必要な職域と位置づけています。

さらに、OIEの陸生動物保健規約の第3章では、加盟国は、獣医師とともに獣医療技術職についても、関連法規に基づきその業務範囲、教育および資質等の基準を設けてその行為を保証する一方で、公共の利益において当該職域を管理監督する基準や資格等を設け法令で規制すべきであるとしています。

しかし、わが国では、獣医療法第10条に基づく現行の「獣医療を提供する体制の整備を図るための基本方針」において一定の方向は示されているものの、動物看護師を含む獣医療技術職の法制化は未だなされておらず、そのために必要な高等教育の在り方についても、必ずしもこれまで十分には議論されていませんでした。』

このことを受け全国動物保健看護系大学協会では、動物看護学教育標準カリキュラム検討委員会を設置して、動物看護教育の在り方の議論を2010年4月から始め、その結果として、2011年12月に「動物看護学モデル・コア・カリキュラムの基準となる教育項目一覧」をとりまとめ、この基準に沿って策定した「動物看護学教育標準カリキュラム」を2012年11月に公開しました。さらに、2013年4月からは動物看護学教育標準カリキュラムの実践に必須となる準拠教科書の策定に着手、その成果として2016年春までに全ての教科書を作成することがなしえ、既に動物看護師を学ぶ多くの方に提供できていることは、この大学協会の大きな成果であると思います。

しかしながら専修学校も大学協会とは別に同時期に標準カリキュラムを策定され、互いの連絡や協力体制が十分ではなかったことから、同じ動物看護師統一認定機構の試験を受験する大学と専修学校において、学ぶ内容に「差」があるという結果を生んでしまいました。この現実は多くの方には理解できないことです。そこで昨2015年に会長職をお引き受けすると同時にこの解決を図る目的で、このことへの理解を広めるべく大学協会内の様々な方にお話をし、結果として現在、動物看護師統一認定機構の中で、大学協会のカリキュラム委員(委員長:日本獣医生命科学大学石岡克己准教授)と専修学校の間で精力的に話し合いを重ねております。これは今年度内には最終合意に至りたいと考えております。

また大学協会が定めたこの基準を参加加盟各大学が遵守すべく努力していることを保証する目的で大学協会内に検証委員会(委員長:日本獣医生命科学大学左向敏紀教授)を設けて、毎年各校の授業内容を検証しております。このことはいわゆる「質保証」を目的としております。

2016年には新たに2校の加盟大学を迎えることができ、さらに多くの大学において上記標準カリキュラムを導入した動物看護教育が行われると思います。将来的には、獣医療技術職に対する幅広い要請に応えるべく、大学における高等教育の内容を一層充実させると共に、関連研究を量的にも質的にも高め、生命倫理の理念に基づく高度な専門技術者の育成と動物保健看護学の進展を目指す必要があると考えます。

最後になりましたが、前会長の帝京科学大学の村上洋介教授のあとを引き継ぎ、2015年度から、会長として倉敷芸術科学大学の古川が、また副会長として日本獣医生命科学大学の左向敏紀教授が、加盟大学の代表幹事の先生方とともに本協会の運営を担当しております。皆様方には引き続き、ご支援とご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます。