私たちは温暖な気候、伝統と産業が共存する文化観光都市である倉敷の地で芸術を学んできました。
この恵まれた環境の中で培った知識や技能を活かし、それぞれの感性と教養を通して各種の産業、行政、教育機関等の場で活躍できる人材となれるよう励んでまいります。

さて、倉敷芸術科学大学卒業・修了制作展を、2017年1月、倉敷市立美術館と美観地区の中の加計美術館にて開催致します。
幅広い分野でそれぞれ学びを深めてきた学生たちの集大成の作品を展示します。お忙しいことと存じますが、ご高覧の上、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い致します。

今年度大学学部を卒業致します19期生は、芸術学部において3学科体制最後の学生です。「これまで」そして「これから」のターニングポイントとして、学部学生、そして院生共々一丸となり卒業・修了展を盛り上げ、成功に向け力を注いでいく所存です。

最後になりましたが、このような発表の場を与えて下さいました倉敷市立美術館、加計美術館関係者の皆様方、親身にご指導いただいた諸先生方、そしてこの展覧会と倉敷芸術科学大学の活動を支えて下さった全ての方々に心より感謝申し上げます。

卒業・修了制作展2017実行委員会
代表 坂本 茜

主催 / 倉敷芸術科学大学
共催 / 倉敷市・倉敷市教育委員会
後援 / 山陽新聞社

卒業制作展 − 倉敷市立美術館

2017.1/24-1/29

9:00-17:15 *入館は16:45まで

・ 住所:〒710-0046 岡山県倉敷市中央2-6-1
・ JR倉敷駅下車、南に徒歩10分
・ バス/倉敷駅前バス乗り場から、「大原美術館前」下車すぐ
・ 山陽自動車道倉敷ICおよび早島ICより約15分。2号線笹沖
交差点より倉敷方面へ3分

修了制作展 − 加計美術館

修士課程

2017.1/20-2/8

博士課程

2017.2/14-2/26

9:00-17:00 *入館は16:30まで・月曜日休館

・ 住所:〒710-0046 岡山県倉敷市中央1-4-7
・ JR倉敷駅下車、南に徒歩15分
・ 大原美術館より徒歩約2分

Candy Shop

木原 未来 さん

美術工芸学科 美術専攻 現代表現

私は映像と立体物をあわせたインスタレーションを制作しました。この様な作品を作ろうと思ったのは、海外のあるビエンナーレで見たインスタレーション作品に出会ったことがきっかけで、自分でもこの様な作品を作ってみたいという思いからでした。

空間を作るとなると、とても大掛かりになってしまいたくさんの方々に助けてもらいました。また他学科の映像コースの授業を受けさせてもらうなど、自分のやりたいことの幅を増やすことができたのでとてもいい経験になったと思います。力になってもらった方や一緒に頑張ってきた友人達にとても感謝しています。

最後に、この作品ではあくまで見てくださった方なりの捉え方、楽しみ方をしてもらえたらと考えています。そんな皆様それぞれにどんな視点があるのか、私自身楽しみでもあります。

フランシーヌ

大森 裕美 さん

美術工芸学科 美術専攻 油画

私は大学に入って子供の絵をたくさん描いてきました、その集大成として今回も子供をモチーフにしてみたいと思い作品を制作させていただきました。『タンスとフランシーヌ』というある写真家の作品をモデルにしていて、その中から人物と物だけを切り出して背景を取り除いてみるとどの様に見えるのだろう、というコンセプトで作ってみました。

一番苦労したところは色の出し方だったと思います。同じ黒でもこの作品にあった黒はどんな黒なのか、また一度作った色も試行錯誤して出したものなのでもう一度再現するのも大変でした。

この4年間で段々と大きな作品を作ってきましたが、今回はその中でも最も大きな作品を手掛けることになったので、難しいですが迫力のある作品を作っていけたらと思います。

平松 若葉 さん

美術工芸学科 美術専攻 日本画

私は普段日常にある出来事や植物、言葉をもとに模様をつくり、人物と組み合わせたものを描いています。今回の卒業制作は子供の頃に行った山の景色をテーマにした作品で、墨と水を使ったたらし込みという日本画の伝統的な技法をメインに用いました。たらし込みは決して強引に乾かしてはいけません。ゆっくりと絵具が沈み、水が乾いていくその時間が大切なのです。そのたらしこみの水と時間の関係と思い出や今まで過ごしてきた時間はとても似ていると思いました。平和で豊かな日本だからこそ生まれた伝統的な日本画の技法は、多忙な現代には合わない手法かもしれませんが、本来の日本の心を思い出す穏やかな時間なのではないでしょうか。

大学4年間、たくさんの人との出会いが原動力でした。将来は作家として発表していきたいです。

へつらう
かえりみぬ

池田 悠二 さん

美術工芸学科 美術専攻 芸術キャリアデザイン

2つの作品は1つの連続した物語になっていて、大切な人との待ち合わせに遅れるという自らの失敗談を元にしています。これらは僕の日記のようなものなので、気負わず感じるままに見ていただきたいですね。「自分も同じような気持ちになったことがあるなあ」などと、共通点を見付けるのもいいかもしれません。

制作では、ドライポイントという技法を使いました。コーティング無しで一発書きするのですが、ドリルを使うために銅板にささくれが生じ、予測できない形でインクが広がってしまうんです。更にささくれは刷る度に無くなっていくので、1回目に刷ったものと20回目に刷ったものでは表情が全く異なります。実際に刷るまで仕上がりが分からない難しさはありますが、同時に新しい発見を得る楽しみも感じますね。

版画を選択したきっかけは、ある先輩の作品に出会ったことです。高校生の頃から色を使うことに興味があり、大学での制作でも色彩を意識した作品を作ってきました。しかし、線のみで構成する先輩の作品に圧倒され、色彩に頼らない作品を目指し始めました。今回の制作でも、自分なりの試行錯誤をしています。

制作の環境は変わりますが、幸いなことに縁あって卒業後も作品を発表する場所を得ることができました。今後も大学で学んだことを生かし、作品を制作していきたいですね。

CALM

河崎 雄太 さん

美術工芸学科 美術専攻 彫刻

今までは主に立像の制作をしていたのですが、卒業制作ということで新しいことに挑戦してみたいと思い今回は座像の制作に取り掛かることにしました。座像は立像に比べやはり安定感があります。今までの自分は少しせっかちなところがあり、そんな自分に対して戒める気持ちで「落ち着き」というものをテーマにしてみました。

人物をモデルにした彫刻は大学に入ってからで、さらに座像という新しい分野ということもあり同じモデルでもバランスの取り方や型取り方法などが大きく違い、いろいろと苦労することが多々ありました。

将来はまた違った分野へ挑戦していきたいと考えていて、仕事として彫刻をしていくことはないかもしれませんが、個人制作としてこれからも励んでいきたいと思います。

漂う白

西津 沙矢華 さん

美術工芸学科 美術専攻 ガラス工芸

私は普段から色について興味をもっていて、今回も色をテーマにした作品を制作してみたいと思いました。

青と白、二つのオブジェの作品は、ガラスだからこそ表現できるガラスの魅力を出したくて考えたものです。 ガラス本来の色、色合いの表情、一つの色から出る多彩さを出したくて作ったので、色に着目して見ていただけたらと思います。

経験のある絵画などではなく、それまでやったことのないことをしようと思ったことが、ガラス工芸を始めたきっかけでした。 この大学にはガラス工芸ができる施設がとても充実していて、そこに魅力を感じたことも理由です。

この大学では先生や学生同士でも気兼ねなく意見を交わすことができたため、たくさんのことを得ることができ、また、作品制作の励みにもなりました。

ここでの学生生活は、私にとってとても有意義なものでした。これからもこの経験を活かして次に繋げて行こうと思います。

恋する乙女のための調味料

佐藤 茜 さん

デザイン学科 イラストーレーション・グラフィックデザイン専攻

料理を上達させたいと思っている女の子をターゲットにした、調味料を売り出すためのブランド「I bukuro」。そのロゴや18種類の商品パッケージを含む全体のブランディングを行いました。

ブランドに合ったものや、女の子の興味を惹くものを反映させたいという思いがあり、パッケージや容器の形にこだわっています。既製品も含め様々な形の瓶を検討しましたが、最終的に試験管を使うことに決めました。胃袋を掴む手がモチーフであるロゴと合わせて、「男の子を落としてやろう」という惚れ薬のようなイメージも感じていただけたらと思います。

見どころは、恋する女の子の気持ちを反映させた商品名です。ちょっとポエミーな感じですが、興味を持ってもらうための1つの要素として取り入れました。1つ1つに工夫を凝らして考えた名前なので、是非注目していただきたいですね。

大学に入って初めて飛び込んだデザインの世界で、空間の取り方などのノウハウを少しずつ学び、積み重ねた集大成です。卒業後デザイナーとして働く中でも、大学で学んだことをきちんと活かして向上していけたらと思っています。

人と空間の関係

高八 弘奈 さん

デザイン学科 空間・プロダクトデザイン専攻

人と空間の関係をテーマに、公共図書館で快適に過ごすための仕切りを制作します。今回、初めて1分の1スケールでの制作に挑戦しました。これまでは模型ばかりだったので、実物大で作る難しさを感じましたね。これを作りたい!というイメージからスタートしますが、この段階ではどんな構造になるのか分からない状態なんです。そこから具体的な形にしていくのは大変でした。

素材選びにも気を配りました。吹き付け和紙という、紙とプラスチックが合わさったような柔らかい素材を使用しています。是非会場で実際に体験していただきたいですね。

専攻は空間プロダクトを選びましたが、元々はグラフィックデザインを学んでいました。そのため、物作りの考え方にビジュアル的なイメージが強く出ます。デザインという広い分野で作品を作る上で、2つの視点を持つことは私にとって大きな利点になったと思います。

人と空間の関わりは、物をつくる上で重要な要素だと考えています。今後も空間プロダクトとグラフィックという広い視野を活かし、自分なりの人と空間の関わりを見付けて行きたいですね。

ポケットで遊ぶリンクコーデ
-親子のコミュニケーションツール-

中田 茉佑 さん

デザイン学科 ファッションテキスタイルデザイン専攻

親子のコミュニケーションの取り方が現代社会の問題点として注目され、その問題点を洋服を使い解決できたらと思い「子供と親のコミュニケーションツール」をコンセプトに5着の洋服を作りました。

ポケットの中から遊びとなるキャラクターが出てくる服やポケット自体が遊びの要素になっている服などがあり、どこに何があるか子供の洋服と親の洋服を合わせて遊べるようにしています。制作にあたっては一枚の生地だけで作らずに小さな生地を複数枚つなぎ合わせて作りました。
手作業でつなぎ合わせてつくったため、とても手間がかかりました。

ファッション関係の仕事に興味があり幼い時からの夢でした。 将来は、地元で制服やワーキングウェアのデザインを頑張っていきたいです。

ランドリーライフ

田中 美琴 さん

メディア映像学科 マンガ・アニメ専攻

漫画作品「ランドリーライフ」とドラマCDのパッケージ、ブックレットを制作します。

「ランドリーライフ」は一年生の最初の課題で制作したものをリメイクしました。卒業制作という最後の制作で、最初の作品にもう一度取り組むことで、成長を可視化したいという思いがあったためです。展示ではメディア展開というテーマの元、実際の書店のディスプレイを再現しています。

制作で苦労した点は、漫画を描く際にアナログとデジタルの2つの工程を組み合わせたところですね。まず人物のみペン入れした原稿をスキャンし、Photoshop上で背景やスクリーントーン、特殊効果などを追加しています。このように異なる手法を混合させて作業を進めると、作業場所が別々になるので大変でした。

4年間を通して基本的な部分でアナログにこだわったのは、自分の肌に合うものを使いたかったからです。講義の中で様々なツールを試しましたが、自分の性格や作風に最も合っていると感じました。

在学中に個展を開くという目標がありましたが、予算との兼ね合いもあり実現には至りませんでした。卒業後もこの目標を掲げて制作を続けていきたいですね。

敵は己の内にあり

伊藤 ひかり さん

メディア映像学科 マンガ・アニメ専攻

この作品では、心の葛藤をアクションで表現してみました。私は昔からバトル物の作品が好きだったのですが4年間本格的にバトル物でアニメーションの作品を作る機会がなく、せっかくなので卒業制作という場でそういった作品を作って終わりたいという思いから、この作品を制作することにしました。

アクションアニメーションではキャラクター達が様々な動きを見せてくれますが、この様な動きは普段生活していく上では経験することも出会うこともありません。しかし、そんなアクロバティックな動きを考えいろいろな角度からそれを表現していくのは、もちろん難しいしとても苦労しましたが逆に楽しくもありました。

素早さや爽快感を意識して迫力のあるアクションを描いてみたので、キャラクターの細かい動きにも注目して楽しんで欲しいです。

MOEDIUS

山崎 美嵯 さん

メディア映像学科 コミックイラスト専攻

12星座を自分なりに解釈して擬人化したキャラクターをイラストで表現しました。

企画を練る上で苦労したのは、12人のキャラクターの違いを作ることです。星座が持つ普遍的なイメージをそのまま持ってくるのではなく、敢えて意外性を持たせました。例えば、天秤座は自分で白黒つけたがる独善的な性格だったりと、元々の星座にまつわるエピソードを新たに解釈することで自分なりのキャラクターを作りました。

展示ではイラストとA1サイズのポスターだけでなく、星座にちなんだ飾り付けをするので、全体の雰囲気を楽しんでほしいですね。

この4年間で、自分の好きなことがたくさん出来ました。イラストだけではなくゲーム・Webなどの方面にもチャレンジしたことは、とても良い経験になりました。また、自分の時間を制作に充分に当てることができ、成長につながったと思います。

将来、就職しても自分の絵を描き続け、その上でコンテストなどにもチャレンジしてして行きたいです。

染女師

宇川 達貴 さん / 味村 大地 さん

メディア映像学科 ゲーム・Web専攻

大学で4年間、イラストや制作関係に大きく携わってきました。最後の作品なのでせっかくなら大々的にゲームを作りたいと思ったので合同作品という形をとりました。

二人で話し合っていろいろな案を出し合った結果、不変的なゲームではなく、少し変わったゲームを作ろうと思いました。灰色の世界に色をつけることで視覚的な楽しさを味わうことができる、ということがこのゲームのコンセプトです。

二人で企画を進めるなかで、たくさんの案を考えては一つにまとめる事を何回も繰り返しました。また、アニメーションなど普段やってこなかった事に挑戦したので苦戦しましたし、やりたいことと自分の持てる技術の壁にもぶつかりました。

最終的には自分たちが納得できる作品が出来れば良いなと思っています。将来、大学で身につけたスキルを会社に活かせていきたいです。また、SNSなどを使い趣味で作った作品なども投稿していこうと思います。

ZONBINA

八田 周平 さん / 角南 遥香 さん

メディア映像学科 映像・放送専攻

この作品は、もともと1回生の時にこの作品を作っていたのですが、役者や日程の関係で満足のいく作品にすることが出来なかったことから、4年間で培った技術と経験を活かし新たにリメイクした作品です。1回生の時から2人で様々な作品を制作してきたので、今回の作品も合同制作として、2人の長所を最大限に活かし4年間の集大成といえる作品に仕上がったと思います。

「ZONBINA」は監督の角南がゾンビ物の作品が好きで“ゾンビ=怖いもの”というイメージではなく、多くの人にゾンビを好きになってもらいたいという思いから企画してみたものなのです(笑)コミカルな演出や本来の怖さなど合わせて楽しんでください。

作品を作る上でメイクなどの美術演出や編集による映像的な美麗さという点を重視しました。夕方の撮影が多く綺麗な夕日のシーンを撮るために天気や時間に気をつけながら日程を合わせていくのがとても大変でした。また、多くの後輩たちにもスタッフとして手伝ってもらっていて、みんなの助けがあったおかげでこの作品を完成させることができたと思います。これからもこういった関係を大切にし、映像業界を盛り上げていきたいと思います。

Change

編集後記

この度2017年度卒業・修了制作展特設サイトを制作させていただきました、ゲーム・Webデザインコースの3回生です。お忙しいところ取材に応じて下さったみなさま、本当にありがとうございました。様々な専攻の卒業生の方々のお話を聞き、作品制作への熱意を感じ、より一層サイト制作を励むことができました。

2017年度卒業生、修了生の方々の作品を心より楽しみにしています。


2017年度卒業・修了制作特設サイト制作メンバー一同