平成30年7月豪雨で被災された皆様へ


平成30年7月豪雨で犠牲となられた方々に心より哀悼の意を表します。また、被災されて避難所等への避難を余儀なくされた皆様にお見舞い申し上げます。

豪雨により洪水および土砂災害に被災され、避難生活をされている皆様に、危機管理の観点からの注意事項を以下に記します。参考にしていただければ幸いです。

ステップ1 自分や家族を守る

最初に行うべきことは、自分自身を気遣い守ることが大切です。水害や土砂災害で被災された方々は、災害後のストレスがたまりやすく、避難生活の疲労も蓄積して参ります。食糧の不足や生活環境の悪化による寝不足なども重なり、健康被害に注意することが必要になります。まずは自分と家族を守ることを一番に考えてください。

  • ●避難所での生活は不自由ですが譲り合いの気持ちが大切です
  • ●状況を整理し何が必要なのか話し合う
  • ●なるべく自分たちのことは自分たちで行い、すべてを行政頼りにしない
  • ●衛生状態に充分気をつける。特に口腔ケアを見落としがちです
  • ●悩みごとは家族や友人に早めに相談する。必要ならメンタルケアのボランティアに相談する
  • ●ストレスのサインが現れていないか観察し早めに専門機関に相談する
  • ●子供たちの話をいつも以上に聞いてあげる
  • ●子供たちがおねしょなどをしても厳しく叱らない
  • ●ペットについては周囲の人に迷惑を掛けないようにするとともに、ペットの健康やストレス予防にも注意する
※ 水分を十分に摂るなど熱中症などの暑さ対策は充分行ってください!また、適度の運動することも大切です。

ステップ2 家に帰るときの注意点

被災した家に戻ることは危険が伴います。雨でなくても土砂災害の危険性はあります。住宅などの建物の損傷や漏電、その他の危険性があることを十分に理解することが必要です。まずは、自宅エリアの情報を把握しましょう。不明な場合は行政に確認すると良いでしょう。過去の洪水後の復旧過程で感電死するケースもあり漏電には特に注意が必要です。自動車に関しても最近はハイブリッドや電気自動車も多くなっていますが、水没した自動車に関しても感電しないように細心の注意が必要です。

最初に家に帰る際に持っていくと便利な物の例を以下に示します。

  • ●懐中電灯
  • ●ラジオや携帯電話
  • ●救急用品
  • ●安全靴、防水ズボン、長袖シャツ、ヘルメット、厚手の皮やゴム手袋、防塵マスク・ゴーグル
  • ●カメラやビデオ(罹災証明などを受ける際に状況を記録するため)
  • ●バールやノコギリ、ハンマー、ペンチ、レンチ、ドライバーなど
  • ●木の棒(感電などに気をつけ電線に直接触らないようにするため)
  • ●ゴミ袋
  • ●飲み水
※ ボランティアの支援もあるので決して無理をしないことを心がけて下さい!

ステップ3- 1 家の応急手当

最初に家に入る前に周辺をよく確認し、電線が切れていたり、ガス漏れがないか確認します。外壁の損傷などないかあまり近寄らない範囲で確認します。家全体が壊れている場合は入らないように注意しましょう。また自分で判断がつかない場合は専門家に依頼しましょう。

◎家に帰った際の手順と注意

  • ●玄関から入れるかどうか確認し、入れない場合は他の入り口を探す
  • ●充分注意して家に入る
  • ●ガスの元栓を確認して、開いていればとりあえず閉める
  • ●先ず入室したら、木の棒を使って電気のブレーカーを落とす、その時には足元に気を付けて家の中を移動する
  • ●次に家全体の確認をし、天井など水が溜まっていないか注意してみる。水が溜まっている場合は棒などで穴をあけ水を抜く
  • ●貴重品、アルバム等を持ち出す
  • ●使えそうなものは泥を洗い流して乾燥させる
  • ●エアコンの室外機やダクトは水で洗い流す
  • ●床や床下の泥水をかき出す
  • ●消毒のための石灰などを有効に使う
  • ●すべての窓を開け換気を良くする
  • ●電気の再通電、ガスの開栓については、できれば担当者の確認を受ける

ステップ3-2 家の復旧について

まず、衛生上マスクは必ずつけてください。部屋中の家具など水洗いし使えるものと使えないものを選別してください。使えないものは指定のゴミ置き場に持っていってください。その際、分別などが必要な場合があることもありますので注意してください。水につかったところは泥水をかき出した後に水洗いし充分乾燥させます。

ステップ3- 3  消毒

一度洪水にあった物は、感染症予防のため消毒することをお勧めします。ここでは一般的な消毒方法をご紹介します。

◎家の中や家財の消毒

  • ●家の中や物品を消毒する前に、洗浄と乾燥を行います。これにより、次亜塩素酸ナトリウムの消毒効果が落ちるのを防ぎます。
  • ●作業は、手あれを防ぐため、ゴム手袋などをして行います。また、ほこりなどを防ぐためマスクをしましょう。
  • ●次に、あらかじめ用意した、次亜塩素酸ナトリウム0.02パーセント溶液に清潔なタオルや布巾を浸し、軽くしぼって家の中や物品を拭いて消毒をします。次亜塩素酸ナトリウムは、漂白作用があるので、色落ちしては困る場所の消毒には向きません。また、金属やゴムを腐食させますので、消毒した後は、仕上げに水拭きをします。次亜塩素酸ナトリウム溶液は、保健所も配布しますが、家庭用の漂白剤でも同様の効果があります。製品によって、次亜塩素酸ナトリウム溶液のもともとの濃度が異なりますので、水で薄めるときの倍率は、製品の使用方法の表示を確認してください。

◎家のまわりの消毒

家のまわりの屋外を消毒するときには、クレゾールを撒く方法がありますが、クレゾールは臭いが強いので使用には注意が必要です。特に、床下への使用はおすすめできません。クレゾールは、薬局でお買い求めの上、使用上の注意を守って使用してください。

出典:東京都

ステップ4 確認事項の整理

家の状況を確認できたら、今後の自宅再建計画を作成します。最初に、修理箇所を確認し大まかな計画をつくります。その際、保険や、活用できる支援制度などを考慮して、罹災証明の発行がいつからどこで行われ、手続きに何が必要かを確認します。

  • ●保険会社に連絡
  • ●必ず被害状況を撮影しながら、被害状況を整理する
  • ●自分でできることと自分ではできないことを整理する
  • ●建築業者等に概算見積もりを依頼する
  • ●避難所の生活がどれぐらい続くか整理する

ステップ5 財政支援が受けられます

被災した場合には、種々の財政支援を受けることができますが、それにはまず罹災証明をとることが必要です。生活再建支援制度が適用される場合は、支援金などの手続きをおこないます(どのような支援があるかは自治体に確認してください)。

内閣府では2015年に「被災者支援に関する各種制度の概要」をまとめていますので参考にしてください。

http://www.bousai.go.jp/kyoiku/pdf/kakusyuseido_tsuujou.pdf

また、危機管理上 参考となる資料として、米国赤十字とFEMA(米国連邦緊急事態管理庁)が1992年に発行した「Repairing Your Flooded Home」があります。事情が異なりますので、そのままは使えませんが 洪水対策を向上させるための具体的な対策なども盛り込んでおり、その中で最も大切なことは「安全の確保」が一番であるとされております。そのためには、周囲が協力し、被災者を支えていくことが地域の再建には不可欠な要素であります。

以上。

協力・資料提供:防災教育振興研究所