保存力場における物体の場合は,話が力学的エネルギーの中で閉じていて簡単である。
これまで見てきたのは,物体の運動を手助けするように保存力と同じ向きに外力を加えると,運動はますます勢いづいてくる ―― 運動エネルギーが増加するということであった。
では保存力に逆らうように外力を作用させるとどうなるのだろうか。重力場の中で外力が重力に逆らって仕事をする例を考えてみよう。
★いま重力場の中を,粒子が(重力以外の)外力を受けながら準静的に― ゆっくりと等速で― 移動していくものとしよう。

ところで物体が自由落下した場合,第6講の結果から,重力のする仕事は物体の運動エネルギーに変換されるのであった。

上記の枠内★のことは保存力場の定義といってよい。体験できる具体例としては,ちょうど遊園地のジェットコースターがレールの高低に対応して低速あるいは高速をたどって運動し続けるのがこれにあたる。同等のことが重力に限らず,どのような保存力に対しても成り立つ。例として,宇宙船の運動に対する万有引力の場,ばね振り子の運動に対する弾性力場,荷電粒子の運動に対する静電場などを挙げることが出来る。最後の2例には,たいてい重力場が同居していて,お膳立ては多少とも賑やかになるかもしれないが,保存力場に対するシンプルな原理が適用できて取り扱いは簡単である。
基礎物理学T第7講(受講生のみなさんへ)