【温度】 ある基準となる物体に比べてどれくらい暖かい≠ゥ冷たい≠ゥを相対的にあらわした値を温度という。具体的には基準となるスケール上で暖かさ∞冷たさ≠あらわす。物理的には、原子や分子の平均の運動エネルギーの程度に相当する。
【温度計】 ガリレイは、空気を入れた小容器を液体中に沈め、空気の膨張による浮力から液体の温度を計った。今日の温度計では、液体の膨張や収縮を目安に温度を計っている。
温度のスケール: 水の沸点 水の凝固点 絶対零度 摂氏温度 100 ℃ 0 ℃ -273 ℃ ( 華氏温度 212°F 32°F -459°F ) ケルビン 373 K 273 K 0 K 【温度目盛り】 私たちは日常生活では摂氏温度(セルシウス温度;単位は℃)を用いている。気体分子の運動を論じたり、さまざまな熱現象を考察するのには絶対温度(ケルビン温度;単位は K )を用いることが多い。両者の目盛りは基準となる0度の位置が273度ずれているが、1度の間隔は同じである。国際標準は摂氏とケルビンだけ知っておけば十分である。華氏に関しては、アメリカで生活するならともかくも、あまり気にかけないことにしよう。
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【熱エネルギー、内部エネルギー】 物質はたゆまなく動いている原子、分子の集まりである。分子振動の割合が激しくなると、物質の状態は固体、液体、気体、プラズマ へと相≠変える。振動運動のため、物質中の原子や分子は運動エネルギーをもつ。プラズマ相の例として、ガスコンロやロウソクの炎の中、太陽の内部などがある。プラズマでは原子が壊れてイオンと電子になり、それらが運動エネルギーを担っている。
下図<エネルギーのかたち>のように、エネルギーまたはエネルギー伝達のかたち≠ヘ色々あるが、このうち熱エネルギー≠ニ称されるエネルギーはどんなものなのだろうか。エネルギーは物理学的にはすべて運動エネルギーか位置エネルギーに分類される。熱エネルギーは分子の不規則な運動のエネルギーである。
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物質内部の原子や分子の運動エネルギーはヒトが感覚で知りうる熱さ≠フ程度と結びついているので、熱エネルギー≠ワたは内部エネルギー≠ニよばれるのだ。物理研究者の多くは内部エネルギー≠ニいう。物質系の熱力学的な状態が系の内部に保有される“内部エネルギー”を定めるので、“内部エネルギー”U [J]は状態量と云われる。内部エネルギー≠フおもなものは、分子や原子自身が質点のごとく運動する運動エネルギーである。上のグラフのような関係がなりたつのは、まさに気体分子が《弾性体質点ボール》のように運動エネルギーだけをもってランダムな運動をしている場合に当たる。ヘリウムガスや空気など現実の気体でも、我々が住んでいる環境下では理想気体≠ニして扱える。しかし、気体分子の運動が分子間力の影響を強く受けるほどゆっくりと運動していたり、あるいは外部から分子内部の構造をゆさぶるような電場をかけたりした場合には、もはや気体分子は《弾性体質点ボール》とは見なせない。
★ 理想気体と見なせる状態では、気体の圧力と体積と絶対温度との間にどのような関係があるのだろうか。一般に内部エネルギー≠ノは、運動エネルギーのほかにも、さらに分子や原子間でのポテンシャルエネルギー≠竅A分子内での原子の運動(振動や回転)のエネルギーのすべてが含まれる。
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さて、太陽の中心付近では水素の原子核どうしが核融合してヘリウムに変わり、その際質量のエネルギー≠ェ生み出されている。質量のエネルギー≠ニは、m [kg] の質量が存在することはm c 2 [J] のエネルギーが存在することとまったく同じ意味を持つ、つまり存在のエネルギー≠表すというもの。ここでc は光速である。
プラズマとよばれる状態の太陽の温度は中心部で20,000,000 K 、表面でも6,000 K はある。参考までに、一番安定な(低いエネルギー)状態にある1つの水素原子を電離させて水素イオンに変えるのに必要なエネルギーは、13.6eV = 13.6 ×( 1.6 × 10-19J )である。そこで、水素ガスを電離した状態に維持するための温度T は、<k BT > = 13.6eV とおいて(ここで、k Bはボルツマン定数 = 1.38 × 10-23 J/K)、およそ
T = <k BT > / k B = 160,000 K となって、十数万K であることがわかる。上記のように、太陽の内部はこの条件を十分満たしているので、物質は原子核と電子とに分かれたり一部でイオンに戻ったりして、いわゆるプラズマ状態になっている。ついでながら、電離した原子が再び電子をつかまえる(再結合する)とき原子は光を放射する。これが太陽の輝きのもとである。
★ 人類が地球上で消費するエネルギーはすべて最終的に熱エネルギーになる。この熱エネルギーは、宇宙空間に向けて放射し廃棄しないかぎり地球に溜められていく。地球環境の温度に応じて放射される赤外波長の電磁波は、唯一熱エネルギーを宇宙へ捨て去る役目を果たしているが、大気中の二酸化炭素が赤外線を吸収するために起きる温室効果で、このバランスは狂い始めている。人類は化石燃料が底をつくよりも早く、温暖化による被害から危機的状況を迎えるかも知れない。地球環境を保全する立場から、化石燃料に代わる核燃料消費の時代は大変重要な意味をもっている。さらに重要なのは、核燃料が底をつくであろう21世紀半ばまでに、人類は太陽エネルギーを安く利用するための技術を確立せねばならない。21世紀半ばといわず、それは2030年かも知れないし2020年であるかも知れないのだ。
【熱と熱量】 浴室の入り口で片足がタイルの上に、他方の足が絨毯の上にあるとき、タイルは冷たく絨毯は暖かく感じられる。ちがいは熱エネルギーの伝わる速さにある。接触している物体の間で、温度差のあるために起こる熱エネルギーの移動を熱≠ニいう。つまり熱≠ヘ移動中の熱エネルギーである。しかし時々熱エネルギー≠フ意味で簡単に熱≠ニ言っている人々に出会うことがある。
★ 温度差のある物体間で熱エネルギーはどのようなやり方で移動するのだろうか。熱エネルギーが移動する過程に付随して起きる変化によって、熱の量熱量≠測ることができる。たとえば食物中にあるエネルギーの値は、燃焼によって熱≠ニして解放される熱エネルギーの測定でわかる。熱量の単位1calは、1g の水の温度を1℃変化させるのに必要な熱量として定義される。【熱容量と比熱】 ある物体の温度を1℃変化させるのに必要な熱量を、その物体の熱容量≠ニいう。また、物質1g(または1モル)あたりの熱容量を比熱≠ニいう。物体が均質であれば、物体の熱容量≠質量=iまたはモル量=jで割ったものが比熱≠ナある。(力学で、運動する物体要素1kg あたりのもつ運動量を速度と呼んだのと類似している。)
【相変化】 物体が温度や圧力や体積を変えたり、相変化(固相、液相、気相、プラズマ相がある)してその状態を変えるときには、熱エネルギーの移動がともなう。なお、固相以外の状態(相)を流体という。
私たちは熱すぎるお茶やコーヒーに息を吹きかけて冷ましたり、すすって飲んだりする。また汗腺から出た汗を(うちわや扇風機の風を当てて)蒸発させることで体を冷やす。汗腺を多くもたない犬はあえぐ≠アとで体を冷やすし、汗腺をまったくもたない豚は泥水と接触して体を冷やす。水の蒸発においては、水分子の水素結合が切れるという現象が起きるので、結合を壊すのに熱エネルギーが使われて温度が低下する。
★ 水が蒸発、液化、昇華、沸騰などの相変化をするときには、それぞれ水1g あたりでいったいどれくらいの熱(潜熱=jが関係するのだろうか、調べておくとよい。
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