太陽風に対する最強のバリアー

太陽から地球に送り届けられてくるものは、放射(つまり、光や電磁波)だけではありません。電子や陽子などの電荷を帯びた粒子が、400〜1,000km/秒の猛スピードで、太陽から地球に吹きつけています。これを「太陽風」といいます。

これらの粒子が地球の大気圏に突入するとき、大気に含まれる種々のイオン、酸素や窒素の分子、または原子にぶつかり、高いエネルギーを与えます。エネルギーをもらった分子や原子がもとの低いエネルギーの状態に戻るとき、光のかたちでエネルギーを放出します。これがオーロラの光となって極地で見られます。光を放射する物質によって波長がさまざまに異なるので、あの

色鮮やかなあけぼのの女神の美しい乱舞

となるのです。(上記リンク箇所から、社団法人プラズマ・核融合学会のグラフィック図書館へ入って、見てください)

でも、高速の粒子がそのまま地上に降り注ぐという心配は当面ありません。その守護神は地球磁場です。現在の地球は、南極がN極で北極がS極の一つの磁石になっています。この磁石がつくる磁場(磁界)のため、電気を帯びた粒子の運動の軌道は、横に捩じ曲げられて、高速粒子が地球にまともに降ってくることは無いのです。

『現在の...』というのは、地球の磁極は非常に長い年月を周期として反転を繰り返しているらしいからです。ともかく(現在は)、南極から出て北極へと向かう磁界(磁場ともいいます)があるために、太陽風の荷電粒子はローレンツ力 という磁界からの力を受けてその軌道を曲げられます。

赤道から外れた高緯度の地域では、運動の向きを変えられた粒子の流れは、さらに磁力線に巻きつくように向きを変えながら極地へ向かってクルクルと螺旋を描きながら進みます。また、両極のもっと上空を通りぬけて、太陽と反対側へ回り込んでいった粒子の流れは、Uターンして戻ってきて、地球の裏側から極地に近づいて、同様な振る舞いをします。これらの粒子が大気圏に突入するときにオーロラが発生するのです。

「社会とエネルギー資源」「基礎物理学」 を履修している諸君は、是非とも、ローレンツ力を確認しておく必要があります。とくに、高緯度では磁力線に巻きつくように螺旋運動をしながら極地へ落ちていくことを納得してほしいと思います。

エネルギー循環≠ヨ

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