自然エネルギーは実に多様で、ふだん何となく見過ごしている自然の営みの中に膨大なエネルギーが隠されていることがある。潮汐や水波のエネルギーもそのようなものだろう。港湾の防波堤のコンクリート囲いや、自然海岸の波よけテトラポット積みは、消波ブロックとしては一般的なものだ。物理実験室で小さな浅い水槽を利用しておこなう水波の干渉実験では、包帯ガーゼをだぶだぶに巻き付けた角材を横向きにして消波堤防として用いる。その穴だらけの壁が、水波のエネルギーを効果的に吸収する。逆に考えると、水面波の波長に合った大きさの穴または筒をウキにして、波の振動を取り込めば波力発電ができるということだ。事実この原理を応用した固定式の波力発電実験装置が、山形県(運輸省)や福島県(東北電力)にある。
(図) 波力発電実験プラント
三重県五ケ所湾沖では1998年7月から、海洋科学技術センター製造の浮揚式波力発電装置マイティーホエール≠ェ実験を始めた。幅30mほどの鯨の口のような空洞に並べ置かれた3つの空気室内では、上下する水面が空気の流れをつくり、効率よくタービンを回して発電する仕組みだ。効率の決め手は、広さがそれぞれ80uもある空気室の配置にあるといってよい。五ケ所湾での波のエネルギー密度は、年間平均海岸線1メートル当たり約4`ワットだそうだ。
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