生活とエネルギー  
A. 生活に密着しているエネルギー資源
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 大山寺のうす暗い参道で真上を見上げたとき、太陽の存在にあらためて気づいた。リサイクルに関係するのは物質だけではない。私たちはソフトな(再生利用が可能な)太陽エネルギーをはじめとするいろいろなエネルギー資源を利用して生きていると。

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 1901年、全米電気技師協会の第18回年次総会で、エジソンの右腕アーサー・E・ケネリと化学者のジョーナス・W・アイルスワースによって、新型の蓄電池――アルカリ電池に組み合わせて使う素材が発表されている*。1939年のOS式電気自動車は、ワン・チャージで40km走れたが、現在の電気自動車は200km走ることができる。

生活の利便性が電気エネルギーの消費と直結しているのが、現代の都市型社会の姿である。そんな状況のなかで、環境保護や省エネを目的としたクリーンエンジン自動車の普及や、待機型電気製品の普及や、情報のマルチメディア化などは、ますます電力の需要を生みつづけるであろう。都市生活の排熱量はすさまじい。これが「都市砂漠」ということばを生んだ。

電気自動車の動力をハードなエネルギー資源でまかなうとすれば、電気自動車が100万台普及するごとに、原子炉を1基ずつ増設しなくてはならない計算になる。ただし、増加分のすべてを原子力発電 に求めるとしたらの話である。その原子力発電においては、ウランにプルトニウムを混ぜ合わせて燃料とする方式(プルサーマル発電 )など核燃料リサイクルの採用による出力向上が検討されている(1997年現在)。

たとえば世界の自動車台数は最近の100年間で7億台(そのうち日本では7千万台)となったが、この数は今後の30年間で2倍に増えると見込まれる。石油は30〜40年で枯渇するということも併せて考えてみよ。

エンジン容量が1,000ccのガソリン車はガソリン1gで12q走れるが、ハイブリッドカーなら24q走れる。それが電気自動車なら36q走れる。これは火力発電所でガソリン1g分の化石燃料を燃やしたとしての話だ。(「一二、二四、パー、クンロク」という語呂合わせもある。)

電気自動車の動力源は石油による火力発電に換算


電気自動車の燃費がこんなにも良いのだから、発電所の電気変換効率を引き上げることが出来たなら、もっと素晴らしい。その素晴らしい燃費は、ガソリンエンジンとは違い、主にモーターの変換効率によってもたらされる。現在その変換効率は95%と技術的にはパーフェクトに近い。ブレーキをかけると運動エネルギーの1/3は確実に回収される。スピードは電気に姿を変えるわけだ。

充電の際にも力仕事というような感じはしない。あとはガソリンスタンドに相当する充電スポットの充実あるのみだ。パリのように、日本でも古都の奈良やローカルな文化の残る、鎌倉、萩、倉敷といった町にも調和するのではなかろうか。

 ほかの例では、発電に電熱併給(コジェネレーション)システムを取り入れて、捨てている熱をもっと有効に利用し、変換効率を約2倍にアップさせる方法もある。

 従来の発電所の多くは大規模なものであったが、これからは設備の構築、燃料の採掘、運搬、消費において環境に優しいものであれば、中規模の設備でも積極的に開発・システム化すべきなのである。たとえ小規模なシステムでも、付属させるコンバーター(直流から交流への変換機器)を効率面で技術改良し、売電にも道を開く支援をするならば、産業的にみて着実な部門成長の見込まれるシステムが考えられる。

個人で走らせる電気自動車に限らず、公共の交通機関やオフィスなど電力需要のあるあらゆる場所で、中小規模の発電システムによる新エネルギーをもっと広範に利用すべきなのだ。環境にやさしい小規模な設備としては燃料電池が、そして中規模設備としては風力発電などの普及が期待されている。

小規模発電システムとして今後数年間は燃料電池を中心に技術開発が進む見通しだ。燃料電池にも何種類かの型があるが、いずれも省エネルギーとLCAの観点からは大規模な発電方式にまさると考えられている。特によいとされるのは天然ガスを燃料として水素を取り出し、それを燃料電池に流し込んで電流をつくり出して、あとは大気中の酸素との化合で生じた水を自然に帰す点だ。

風力発電の事例として、NTTのいくつかの事業所では、風力発電と太陽光発電を併用した自然エネルギー発電システムを導入することで、天候の影響を受けにくいオフィス・システムに先鞭を付けた。左のグラフは堺市のスーパーごみ発電の例だが、ガスタービン発電機を用いリパワーリング効果を活かしての(昼間16,500kW、夜間10,070kWで)高売電益は、「迷惑施設」から夢のある「エネルギーセンター」へとイメージ転換を果たした。


 エネルギー資源の一つの分類法として、ソフトかハードかで区別する見かたがある。「ソフトエネルギー」は再生利用が可能なものを、その反対に「ハードエネルギー」は再生利用が不可能なものをさす。エネルギーによっては普通の意味の物質でないこともあるが、物質のように再生利用という考え方のできるところがおもしろい。

次に「一次エネルギー」と「二次エネルギー」という分類がある。一次エネルギーとは、環境から採りだしたままにエネルギー源として使われる石油(原油)・石炭・天然ガス・原子力・水力などを、そして二次エネルギーとは一次エネルギーを加工して得られたエネルギー源である石油製品――ガソリン・軽油・灯油・重油など――や電気・都市ガス・製鉄用のコークスなどを指す。

その他にも「電気エネルギーに変換されるもの」とそうでないものという分け方等々、いろいろな分類があるので注意しよう。


参考文献 *)「エジソン ― 20世紀を発明した男」ニール・ボールドウィン著, pp.376-380(三田出版会)

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