| ◆ ◆ ◆ | 第7講 「熱と非可逆性」 | ◆ ◆ ◆ |
| C. 熱力学に学ぶ |
| Home Menu Toppage Information Back Continue |
熱力学的な温度の定義と温度単位これまでのいろいろな経験や学習から、だれでも温度についての考えは持っているだろう。『今日の最高気温は平年よりも相当高い。』とか、『熱があるようだ。すぐに体温を測りなさい。』という具合にである。温度が、物体の長さや質量とはやや性格の異なる“物理的な状態を表す”量であることには注意すべきだ。温度は厳密には次のように“熱力学的に”定義される。
- 温度の異なる2つの物質を接触させておくと、高温側から低温側へ熱エネルギーが移動する。
- 最終的には全体が同一温度の状態(熱平衡状態)になり、その状態で初めて温度が定義できる。
- セルシウス(Celsius)の温度〔℃〕目盛りでは、“1気圧のもとで氷と空気で飽和された水の平衡温度を氷点0℃”とし、また“水の液(氷)相と気(水蒸気)相との間の平衡温度を沸点100℃”として、“2点間を100等分した1目盛りを1℃”とする。
- 物質が他に与えうるエネルギーをまったく持たない状態を絶対零度といい、“0K”と記す(0K=-273.15℃)。
なお、ある量の物質系≠ニかあるモル量の気体≠ネどという代わりに、誤解を招くおそれのない状況では単に系≠ニ表現することがある。変化の非可逆性について
自然の過程においてエネルギーの流れる方向を定めるのは熱力学第二法則で、これは次のように様々に表現できる。
シリンダー容器の中の気体の圧力が外圧よりも無限小だけ大きければ、容器内の気体は平衡から無限小だけずれた状態を途中の状態としながら、外部に対して仕事をしながら順々に変化していくことができる。このような熱平衡を保った微小な変化では、いつでも逆変化をたどって元に戻ることができるので“準静的変化”という。容器内外の圧力の違いが反転しておれば、逆に気体は仕事をされながら準静的に可逆変化する。
- 熱エネルギーはひとりでに冷たいものから熱いものに流れ込むことはない。
- 力学的エネルギーはすべて熱エネルギーに変換することができるが、熱エネルギーをすべて力学的エネルギーに変換することはできない。
- ある過程で系とその環境を含めた全体のエントロピーは、減少することはない。
このような議論を駆使してさまざまな思考実験を組み立てることにより、熱力学の理論体系がつくられていった。
しかし、現実の状態変化においては準静的変化というものは存在しないので、たいていの状態変化は不可逆変化である。そして、準静的変化の考察から導かれた結論が現実世界へのガイド役を果たしてくれる。
メニュー(受講生のみなさんへ)