| ◆ ◆ ◆ | 第8講 「熱機関の効率(熱効率)」 | ◆ ◆ ◆ |
| C1. 熱力学に学ぶ |
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“カルノーサイクル”の考察から導かれることがらその昔カルノーは、作業物質、高温の恒常熱源、低温の恒常熱源の3者を組み合わせた“熱機関”を考え、これによって熱を仕事に変える思考実験を行った。その結果、『理想気体を作業物質として熱機関に仕事をさせると、作業物質のエントロピーは減らない』ことを発見した。熱は単純に高温熱源から作業物質に流れ込み、その一部は仕事に変換され、残りは低温熱源に吸収されていく。
ある系に加えられた熱エネルギーは、等量のべつのエネルギーに変えられる。これらの量と系の状態(内部エネルギーまたは絶対温度)の変化との間にある関係については、熱力学第一法則が教えてくれるはずだ。熱力学第一法則は、エネルギー保存則を熱学系に適用したもので、 ![]()
と表現される。
- 「系に加えられる熱エネルギー」 = 「系の熱エネルギー(内部エネルギー)の増加」 + 「系が外界に対してする仕事」
Q = U + Wただし、無限小変化を意識する必要があるときには、ΔQ ( ただし、状態量でないことを強調したいときは “δQ ”) = ΔU + ΔWさらにカルノーは、理想気体を作業物質とする熱機関の等温過程と断熱過程からなる「カルノーサイクル」の“効率”について、重要なことがらを導いている。それは理想気体が、
始状態 A から → (等温膨張) → 途中の状態 B → (断熱膨張) → 途中の状態 C
と状態変化して元に戻る一循の過程 ―― カルノーサイクル ―― において、 『作業物質のする仕事の熱効率 ― 熱を仕事(または熱以外のエネルギー)に変える効率 ― は、特別の例外を除いて決して100%には達しない』 という法則である。→ (等温圧縮) → 途中の状態 D → (断熱圧縮)→ 終状態(=始状態) A へ
いま、作業物質が2つの恒温熱源(熱浴 heat-bath)と交互に接触して、カルノーのサイクルを循環するとしよう。作業物質のおかれた周りの環境は、
高温熱源の温度はT1 で, 低温熱源の温度がT2 (T1 >T2 )
であるとする。上のようなサイクルABCDにおいて、作業物質の系を理想気体に限定する必要はない。このページの最後に挙げた、ともに微小な、系に出入りする熱エネルギーと系のエントロピーの変化量との関係式は、準静的≠ニ表現されたその理想的な熱力学系(作業物質と熱源からなる系)を約束している。定義式からわかるように、系への熱添加によるエントロピーの増加は、熱運動の乱雑性や拡散の進行、あるいは情報の消失を意味するので、これが不可逆変化の過程であることが理解できるであろう。しかし、熱源との接触における系の変化が準静的であると仮定されているのは、熱源と等しい温度で系への熱エネルギーの出入りが行われるということである。このような熱平衡を保った過程においては、
熱源から系に熱エネルギーが移ると同時に系のエントロピーは増加するが、ちょうどその分だけ熱源のエントロピーが減少して全エントロピーは一定に保たれる。移動の方向が反対の場合も同様である。
T ― S の関係で表すと、循環過程の効率を表す関係式
ηC=1−Q2 /Q1=1−T2 /T1
が導かれる。ただし、第1の等式はp - V 図で上記と同等な考察をして導かれる。ここで、Q1(=QAB )は等温膨張過程A→Bで作業物質の得た熱エネルギーであり、Q2(=QCD )は等温圧縮過程C→Dで作業物質の廃棄した熱エネルギーである。一方、第2の等式は、上記のT - S 図のサイクルにおいて(系の状態変数を絶対温度とエントロピーにとって)、絶対温度T の系が準静的に微小熱エネルギーδQ を吸収したときに系のエントロピーがΔS だけ増加したものとして、微分関係
δQ = T dS
を積分して導いた結果である。したがって、また熱機関のカルノーサイクルの熱効率がわかっておれば、高温熱浴と低温熱浴の温度比をもとに、基準温度に対する任意の温度が熱力学的温度として求められる。
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