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 21世紀によせて 
A. 自己実現に生きる

 いま教育の可能性に強い期待をよせる一戦後世代が、国際人としての今日的なテーマを確認したいと考えている。まもなく熟年の社会に突入する日本の《教養》の価値をじっくりと見つめてみたい。

大学は専門性の強いところである。団塊世代のはしくれとしては、教養 という言葉に、“自己の生涯教育”、“自己の生きがいの発掘”、“個性の錬磨”などの要素をダブらせる。が、ここでは広く《人間文化》ととらえたい。自分に向かって自分は何か?と問いかけ、何ができ、何ができない人間か?と疑い、試してみたければそれに取り組む。そんなふうに物事を素直に自分にたぐり寄せ、あるいは遠ざける、当然ながらグローバルな視点が要求される。知識の詰め込みではない、流行や他人のものまねでもない、思考や判断のすぐれた能力が求められる。そういった“個”の集まりだけが《人間文化》たりうる。知識や流行を貶(おとし)めているわけではない。他から吸収するにも必ず自分で判断せよ、というのだ。

Click「木陰の噴水」455X312  当ウェブページでは、実験・実習・ゼミ形式による活動、および授業に関連した体験などを“21世紀へのマネジメント”と呼ぶことにした。ともかく、熟年の時代へ向けて《教養》の価値、すなわち《人間文化》の価値を問い直す営みは開始された。1ページずつていねいに読み進んでいただきたい。

 大学で得られるものとはいったい何だろう。木陰の噴水で深呼吸しながら考えてみた。

ぜいたくな疑問だと言われるかもしれない。でも、このように自分に問いかけてみるのは価値のあることだ。『光陰矢の如し』という。将来への期待に心はずませながらすごす時間の中で、

自己実現への道に一歩でも近づきたい !!

という思いを否定できる人は少ない。大学進学の理由を資格取得の観点だけから考えるのは視野が狭いのかもしれない。しかし自己実現のための様々な模索的行為の一つであれば、その行為自体に大きな意義がある。

何時いかなるときでも望めば必ず「生きる喜び」と「仕事」の両方を手の内に掴める、という保証はない。しかし、幸福を呼び込む手立ては、決してあきらめないことだけである。

「講義やゼミに対する希望は?」と問われたその答えは、自己の可能性に対する期待、本当の自分の発見といった意味の内容になるであろう。「そんな堅苦しいことは....」などと言わないでほしい。作品紹介のページ では、そのような心情の一端がうかがえるはずだ。


 テストの点数で評価されることに慣れすぎてしまうと、弊害が生じる。たとえば、出題された客観テストには受け身の姿勢で臨むその同じ人が、同一の出題者による文章添削に対しては、まったく受け入れる姿勢を用意できない。あるいは互いに議論を交わす場面で、大変ぎくしゃくしてしまうのだ。

 反面、ゼミと実験・実習の受講者は自主的にテーマを選択する。多くの人はほんとうに楽しそうに、「これはどう?」などと研究室一同の前で意気高らかに、自分のテーマ研究の進展について話す。もっとも、自分なればこその興味について話すのに、指示なしには話せないという人は滅多にいないもの......。

そこで気づいたことが一つ。それは、学生自身がみずから好きなテーマをつかむことの素晴らしさ、つまり他者との競争から解き放たれた束縛のない精神、自由闊達な心というものの素晴らしさ(むずかしさ、というべきか?)に気づくまで、平均して2、3ヶ月を要することだ。たしかに私のほうでも「ゼミは束縛でも競争でもない」ことを理解してもらうのにエネルギーを費やすような気がする....。

自分よりも友だちのことを気にしてテーマの進捗について相談にのってやっている若者に出逢うと、思わず歓声を上げてしまうことがある。そんな健康的な態度はゼミ活動の特徴として印象的だ。

もちろん実習やゼミ形式の活動にはチュートリアルの一端をになっているような側面もある。実際ゼミの前後で交わす何気ない会話のおかげで、近々予定されているガイダンスや単位修得に関する情報やらレポートの書き方など色々なことに気づくのだから。「めし食った?」「あのレポート書いたか?」... そのような好機という意味でも大きな意義があるようだ。


 そしてゼミ活動のもっとも大きなメリットは、日常的に自分の興味を追求し、またべつの新しいことにも気づくチャンスがあるということだ。次第に心が広くなる、いままで気づかなかった自分を発見する、といった実感を味わうこともある。


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