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 第2講 社会のなかでのエネルギー資源 
E. (その2) オイルショックの影響

 舞台をわが国にもどそう。第1次石油危機(オイルショック)の直後、1975年頃から、ガソリンスタンドは日曜休業し、テレビは深夜放送を中止した。省エネ努力の影響は、原油の輸入量減少となって表れた。

しかし、1980年代後半から原油がだぶつき始め原油価格が下がってくると、とたんに消費者の省エネ意識は薄らぎ、ふたたび原油輸入量は増加していった。


何ということはなかった。1995年の原油輸入量は、ガブ飲みが指摘されていた第1次石油危機の直前と同じ規模に戻っていたのである。

 環境問題というより公害問題という言葉のほうがふさわしかった時代を経て、わが国の製造業メーカーやエネルギー産業の各部門は、汚れた空気や水を環境に流さない工夫と取り組んだ。その結果は次にあげた火力発電所の環境基準達成のグラフにも表れている。

こうした企業努力は、計画性とチームワークの良さに支えられて実を結べたわけだが、他方、個人による能力発露の足跡は自然科学のみならず人文・社会科学の各分野でも多くを見ることが出来る。人間一人一人の得意とする事柄は決して一律に評価できるものではない。記憶力が大きくものをいうテストの成績だけで創造性を測ることなど出来ないのも容易にうなずける。

 わが国の発展を担ってきたものの一つは公教育である。同時に、重要な資源の大部分を輸入に頼らざるを得ない日本に求められるものは、たぶん他に類を見ない創造性を育む土壌というものであろう。

今日、日本の大学進学率はほぼ50%以上である。一人当たりのGDP(国民総生産:Gross Domestic Product)も3万7,000ドルを超えて(1994年現在)、いずれも世界一である。

おそらく戦後の教育が果たした役割も大きかったことであろう。このGDPやGNPから想像されるのは、豊かな社会と余裕に満ちた人々の生活だ。

 ただし私たちは創造の可能性を考えるとき、人の能力も十人十色、百人百様、千差万別という思いを起こす。

人、組織、国、あるいは地球が難関に遭遇しているとき、すぐれた解決方法を見出す可能性は、実に意外なところにあるものだ。資源の大部分を海外に依存し、大量消費を続ける日本社会は、発電ミックス化を初めとする多様な省エネ技術を開発し、リサイクルのシステムを確立して、早く持続可能な道を見つけるほかあるまい。

(図) 火力発電所における発電単位電力量当たりのSOx、NOx排出量比較。ドイツとフランスは自家発電を含むが、他はすべて電気事業のみを対象。(OECD Environmental Data 1995 ほかの資料から、電気事業連合会のまとめ“エネルギーの基礎”1996に基づく)

 石油を初めとする枯渇性資源は、考えている以上に早く底を尽きそうだ。

しかし、大多数の人が世界の石油可採量について『富士山の体積で何万個分もある』という見当違いをしているらしい。

そのことは、私が授業で投げかけた質問に対する答えからもわかって、そのときは正直たいへん驚いたものだ。

新しい経済学としても、人類が省エネルギーとリサイクルに成功して、地球環境問題を無難に乗り越えるための方策は、探究しなければならないテーマの一つだ。

細分化しすぎた個々の科学では地球環境問題は解決できない。経済学とて同じというわけだ。問題は個々の科学をどう統合するかだ。その手掛かりは案外身近なところに、市民の生活場所のすぐ近くにあるように思われる。

<<考えてみて!>>ベンチャー企業(の定義)は次のようにまとめることができる。これを基にニュービジネスを企画してみよ。
@ 新技術を持っている。
A 企業系列に属さない。
B 店頭公開済みか公開を検討中である。
C ベンチャー企業支援のための投資を受けている。

 「様々な環境にやさしい行動を楽しく実践する」ことをねらいとして環境情報科学センターの編集した環境家計簿(環境庁地球環境部)がある。

そのおわりに≠ノは次のような記述があるので、ここに紹介しておきたい。

    『製造段階や購入後の消費段階で出される二酸化炭素が少ない製品を選ぶ------(中略)--------こうした賢明な消費態度は、いわゆる「消費者主権」となって経済全体を大きく変えていく力となるのです。』

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