| ◆ ◆ ◆ | (続々)21世紀によせて | ◆ ◆ ◆ |
| A. リサイクル、それは環境保全への跳躍 |
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省エネルギーには2つの観点ないしは眼目が考えられる。
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一つはエネルギー資源の節約で、これには長い歴史がある。もう一つは環境を守るためにエネルギー消費を控えたり、消費を効率よくすることだが、環境保全がはっきり意識されるようになってからまだ半世紀にもならない。そのため、リサイクルをエネルギー節約の観点だけから論ずる人もいる。後者(環境を守ること)としては、たとえば地球温暖化防止のための化石燃料の消費抑制や、排熱の有効利用(コージェネレーション)などがある。ある試算によれば、排熱が有効に利用されると、日本が排出している二酸化炭素の20〜30%ほどを減らすことができる。
容器包装リサイクル法
1997年4月22日、朝のラジオ放送が「地球の日(アースデイ)」の紹介に関連して容器包装リサイクル法、いわゆる容装法(リサイクル法)のことを話題にしていた。容装法施行以降、ペットボトルなどの空き瓶は商品を製造販売した企業が回収するよう義務づけられた。しかし実施に当たっては行政が回収と中間処理をして、メーカーはその後の運搬と再商品化にあたるとされた。また、費用の税金負担分を国民一人ひとりが一律に負うことになっており、欧米型のいわゆるデポジット制*) への移行発展の余地・改善を指摘する向きもある。“浪費が止まるドイツ節約生活の楽しみ”(光文社カッパブックス)の著者サンドラ・ヘフェリン氏はその終わりのほうで(第7章)、
「節約は知恵ではなく思想だ」と述べ、また先人たちの節約の習慣を生み出した思想、哲学として、
人間らしく生きる 健康でありたい 環境に優しく を挙げておられる。
一方、回収品が渋滞しないよう制度的な工夫を凝らしたのが東京都の方式(東京ルール)である。東京ルールは中間処理もメーカーが担当するようにした。この方式については、また別のところで説明する。
人類の未来に希望がもてると考えるもう一つの根拠は、最近の環境関連の報道のなかみにある。企業の動きに注目して経済新聞を見ると、毎日のように新しいリサイクル・省エネ技術が開発されていることに気づくからだ。
リサイクルの仕組みといえば、国や自治体が定めたきまりに従い回収、解体、再資源化の作業が行われることだけを想像するかもしれない。だが、民間の活動がなくては何事もスムースには進められない。身近な例として、倉敷市は紙資源化の徹底を狙い、事業所から出る紙ごみの焼却処理を'98年4月1日から禁止した。このような措置を可能にしたのは、紙ごみ処理を引き受ける民間の再生資源事業者の存在があるからだ。省エネルギー化や資源リサイクルを日常化する原動力は、市民の日常活動と官民のシステムづくりとが社会的にうまく噛み合うところにあるといえよう。
さて、容器包装リサイクル法の対象として、2000年4月から、「ガラスビン・ペットボトル」だけでなく、「その他プラスチック」「その他紙」も含まれるようになった(段ボールは対象外)。また2001年4月からは「紙製容器包装」および「プラスチック製容器包装」への「識別表示」が義務づけられることとなった。容器包装の分別収集を促進するため、「資源の有効な利用の促進に関する法律」がスタートした。すでに浸透している飲料用のスチール缶とアルミ缶、飲料用・しょうゆ用のPETボトルの表示に加え、新たに、紙製とプラスチック製の容器包装が対象となった。「容器包装リサイクル法」の詳細は、(財)日本容器包装リサイクル協会のページなどを参照。
家電等再商品化法 リサイクルは資源の循環利用だけでなく、省エネルギーの面でも大きな寄与をもたらす。その最たる例がアルミ缶やビール瓶など容器や包装製品のリサイクル法だった。その利点を家電製品においても活かそうというのが家電リサイクルの発想だ。容器包装に続いて、家庭電化製品も法制化の対象として諮問・検討がなされた。使用済み家電製品の再利用を家電メーカーに義務づける法律「家電等再商品化法(家電リサイクル法)」は、平成13年(2001年)4月からの施行だ。この法律施行は最初、「特定家庭用機器再商品化法」として、限定された製品のみを対象にして出発することがわかっている。
リサイクルの義務づけが確定している製品は、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、およびエアコンの主要4品目である。将来はパソコンなど他製品が追加されるかもしれない。いよいよ家電メーカーは自前でリサイクル事業を展開し、消費者もその費用の一部を支払わなくてはならない。
1998年3月18日、松下電器産業とサニーメタル(廃棄物処理業)の両社は、共同で、使用済みテレビの回収の仕組みづくり、再利用工法のコスト削減などの検証、および事業化に向けた研究をスタートさせた。鉄、銅、アルミニウムなどの金属類はもちろんメーカーに売って再資源化し、従来の埋め立てごみプラスチック類でも再利用法を検討する。ブラウン管もガラスと鉛に分けて再利用するなど、重量比率でテレビ全体の95%以上のリサイクル率をめざしている。
環境貢献をモットーにしている企業のなかには、生産過程そのものの環境保全対策はもちろんのこと、さらに踏み込んで高循環型商品をつくり、販売後も、使用済み製品のリサイクルに実質的責任を負う事業を開始したところもある。利益を上げることが最重要とされる企業戦略の中にも、省エネとリサイクルがしっかりと根づき始めたかに見える。
1998年4月17日には、家電製品協会が通産省の補助を受けて茨城県那珂町に建設していた、世界初の家電リサイクル実証プラントが完成。使用済み家電製品を一貫処理・リサイクルするシステムが本格的にスタート。リサイクルの処理技術に関する難点は、製品のメーカーや仕様が多種にわたり、老朽化の程度も異なるため解体ラインを自動化するのに限界のあることだ。一方、環境整備の点でまだ未定なことがらも多い。消費者に「処理費用を請求する」のはどの程度が妥当か?、フロン回収などリサイクルに伴なって義務化の予想される行為は?、といったことなどである。
電気の自己託送
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電気を自分でつくって使うことはできるが、問題は経費が高くつくことだった。ところが研究により、効率よくやれば安上がりになることもわかった。1995年12月の電気事業法改正により、企業が電力会社との交渉で送電を委託できるようになった。つまり、電力会社でなくても独自に電源開発をおこなうのは勿論のこと、べつの場所にある自社工場へ向けて送電することもできるようになったのだ。ただし、電力会社との交渉によるというのが条件だ。自社の電力輸送に送電線を使わせてもらう、という意味で自己託送と名づけられた。政府は、電力供給にも競争原理を導入することにより、省エネルギーや地球温暖化対策にもっと大きな成果をあげることを期待し検討もしてきた。
一般企業も発電した電力を小売りできるところまで踏み込む、いわゆる「電力供給システムの自由化」について決定はなされていない。自由競争の導入は、'98年5月に示される電気事業審議会の結論を待つこととなっている。('98年3月31日付閣議決定「新たな規制緩和推進3ヵ年計画」の中の「エネルギー」から)
*) 私は、わが家の子どもなんかと話していて、ごみの出し方についてこの国では家庭で理にかなった教え方をしない限り、他にそういった機会を持たないのがふつうであることを知りました。ヘフェリンさんによると「ドイツでは、小学生にゴミの可燃と不燃の分別や、地球にどれだけの害を及ぼすかを教えています。また、生活のなかで子どもたちに問題意識を持つように仕向けています。・・・中略・・・小学校やギムナジウムのキオスクで売られるコーラやジュースの空きビンを返すと、価格の半分くらいのお金が戻ってきます。・・・」とのこと。
(これは、ヘフェリンさんの上記著作にある文章の引用で、デポジット制度がいかにドイツ社会に浸透しているか窺い知ることができる。)





