(続々)21世紀によせて
E. 環境家計簿
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 豊かな生活を実現するため、先進国を中心に石油などの化石燃料を大量に生産、消費、破棄するライフスタイルを築き上げてきました。しかし、いざタンカーからの重油流出事故など問題の発生を目のあたりにしてみると、『世代が入れ替わるのを待つだけの時間はもう残されていない』と思わざるをえないのです。

環境家計簿 そんな1997年の幕引きに、国際社会は“京都会議(温暖化防止条約締約国会議)” において、初めて法的拘束力のある温室効果ガス削減目標を決めました。日本の議長国としての責任が問われた国際会議でした。

地球温暖化の進行を止めるために、二酸化炭素の排出量 を抑制・削減することが大切です。私たちが京都会議の議定をきっかけに、家庭生活においても『CO2を減らそう』と判断した場合、市民として一体どんなことに気をつければよいのでしょうか。

温室効果ガスの排出量はエネルギー消費量と関係が深い。この際「気楽なのは経済観念に従って行動することだが、環境にいいことは節約の精神と合致しているのだろうか?」と考えてみることです。

環境庁のデータにCO2排出係数というものが記されているので、これを参考にしてみましょう。排出係数というのは、エネルギーを利用したり物を燃やしたりする際の燃料など単位量当たりのCO2排出量(炭素換算:kg)のことです。

      <CO2排出係数表>
      燃料など品目単 位 量 CO2 排出量(s:` c)
      電 気 1kWh(` h時)  0.12
      都市ガス1m3(立方b)  0.64
      LPガス1m3(立方b)  1.8
      水 道 1m3(立方b)  0.16
      灯 油  l(g)  0.69
      ガソリン l(g)  0.64
      アルミ缶1本  0.05
      スチール缶1本  0.01
      ペットボトル1本  0.02
      ガラスびん1本  0.03
      紙パック1本  0.04
      食品トレー1枚  0.002
      ご み 1s(` c)  0.24

(環境庁データ参照)


あまり詰めすぎないで。
 
 

 このデータからすると、電気、ガス、灯油、ガソリンなどを利用すれば勿論のこと、はたして上下水道水の浄化まで電力消費を通しての二酸化炭素排出に関係しています。さらに、家庭ごみも焼却処分されることで、やはり大気中に二酸化炭素を増やすことにつながっています。電気製品を使っていなくても電気は流れているので、使わないときは電源を切るのがよいこと、旬の野菜や果物は省エネ商品であること、などがよくわかります。

環境庁が実費で配布している環境家計簿は、上記の二酸化炭素排出係数を利用しています。

結局は、省エネ型の製品 ― ごみを出さない製品を買うようにする、冷蔵庫に食品を詰め込まないようにする、といった程度の簡単な努力でよいのです。なにも生活のレベルを格段に落とす必要があるわけではありません。まあ現在の便利な生活からすれば、週末のレジャーに電車を利用するぐらいのほんの少しの辛抱が望まれる程度。

「将来の世代が需要を満たす能力を損なうことなしに、現在の需要を満たす社会的、経済的、政治的発展の方向」のことを『持続可能な開発』と呼んだのは、世界環境開発委員会(WCED)でした。

すでに人々は個人的なレベルでは、地球環境の変化に対する認識の高まりに応じて、信念や行動を変え始めています。

光熱費(円)の節約でCO2(kg)も削減できる. 数字は年間の値.
(環境庁,東京都,東京ガスの資料から)
 
 なお今後、住居や自家用車を買ったり換えたりするなどの高額消費の機会に、人々はしだいに環境への配慮と省エネ志向 を重視すると思われます。政府から補助金の出る太陽光発電パネルを付けた家や省エネ&クリーンエンジンを載せた車 を選択することもできます。

学生のうちは無理な話?... ごもっとも!でも、自動車に乗る人は結構多いのでは?...

 生活の中で工夫すれば、年間16,000円の省エネ効果がある、といえばあなたはどうするか?グラフは、二酸化炭素の排出削減(炭素換算kg)と年間光熱費の節約(円)について、環境庁、東京都、東京ガスの資料から採ったものです。

 通産省などは、家電製品の各メーカー各機種ごとに省エネルギー性能を比較したパンフレットを作成、配布しています。環境庁と国連大学で運営する環境情報センターが出している冊子またはEICネットにはCO2排出量の少ない車種の一覧表など様々な情報があるので、これらも利用可能です。(各メーカーのパンフレット参照)

 地球を変貌させているのは人類全体の活動の影響です。ですから、個人的行動を変えることだけでは不十分です。知識を集約し、協調して行動し、エネルギー資源を分かち合い、人類が生き残れるような地球管理を成さなくてはできません。これらの事柄はしかし、個人の行動なくして達成できることではないのです。


問い(実習・演習)を1つ
 上記各品目について、あなたが(自宅通学の場合は1世帯が)毎日使用した数量を記録し、1週間で排出した二酸化炭素の総重量(kg)をまとめ、報告書として提出しなさい。電気、ガス、水道は先週のメーター数値から今週のメータ−数値を引けば簡単。用意した紙に縦横の罫線を引き、左の列から、品目、合計使用量、CO2係数、排出量の順で一欄表にします。または(社)環境情報センターに送料実費270円で注文するのも簡単です。
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