地球変動科学   
B. 回帰可能・不能分岐点
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(指数関数的変化)  飛行機を操縦し、離陸しようとしているとき、突然なにかのトラブルまたは思いがけないハプニングが生じたとしたら、パイロットはそのまま飛び立つか、それともエンジンを停止させるかの緊急的な判断を下さねばならない。

竹林雑木林 どちらが選ばれるかは、そのときの機体のスピード、高度(まだ地上にいるか、何メートル離れているか)などの状況による。機体の異常の多くは、文明のマシンの製造時点から作られるべくして作られたものだ。

 果たして地球号はどちらを選択すべきなのか、それとも、すでに選択の余地は失われてしまったのだろうか。

 自然界に幾多とある指数関数的変化(明日は今日の1.5倍、明後日はまた明日の1.5倍というふうな推移)を想像すれば、手遅れは、危険回避のできない状況を招くと考えるのが常識である。かりに結果的に、空騒ぎをしていたんだということになったとしても、あとには政策的、技術的な成果が残る。慎重すぎるくらい慎重なほうがよい。

(湖のアオコ)  わかり易いたとえ話として、湖沼の水面がアオコで覆われていく様子を思い浮かべてほしい。水面の変化の徴候にはっきりと気がつく前ならば、まだ私たちにはその先の時間的余裕がある。しかし変化に気づくことができるように広がったときには、もはや対策を立てるだけの自由な時間は残されていないおそれがある。

そして、ちょうど水面の半分が覆われた時というのは、すでに水面全体がアオコでいっぱいになる前夜に差しかかっていると察知すべきなのである。

中華人民共和国、長江下流の名勝の地、太湖は、面積で日本の琵琶湖の約3.5倍、中国でも3番目に大きな湖だ。上海から高速道路で約2時間の距離にあって、周辺への水源としての利用価値も高い。ここでも、水質汚濁と富栄養化が原因と考えられる、夏場のアオコが大きな社会問題となっている。

もちろん中国政府は、96年に太湖の環境保全を国家プロジェクトに掲げ、その対策に乗り出している。太湖の周辺では実際、工場に廃水処理施設を備える動きが見られるという。しかし同時に、水質改善には、たいへん長い時間のかかることも否定されてはいない。(太湖の事例は、朝日新聞1999年2月6日[国際面]を参考にしました。)

(温室効果ガス排出削減見通し)
(エネルギー需要のシミュレーション)
「エネルギー消費と環境リスク」に跳ぶ
「エネルギー消費と環境リスク」に跳ぶ

この“たとえ”は、大気中の二酸化炭素量の増加−地球温暖化(資料と解説)、熱帯雨林の減少、そして人口爆発など、さまざまの地球規模の現象にあてはめることができる。

いうまでもなく、すべての場合において元の状態を回復するのは困難であるし、それらに関連して引き起こされる種々の問題の解決も容易ではない。このような地球的規模の問題にも、市場原理の適用がヒントとなるように思われるが、しかし、一国の政治的な利害観を克服した適切な判断と思い切った施策、そして国際的な協調・コンセンサスが不可欠である。


 地球温暖化問題への国内対策として1998年12月に開かれた「審議会合同会議」においても、最終エネルギー消費の削減に大きな期待が示された(グラフ参照)。

すなわち今後、追加的な対策を採らなかった場合には、2010年度の時点で、最終エネルギー消費は95年度比18%増と予想される。が、「省エネルギー対策を実施すれば、2010年度のエネルギー消費を95年度比3%増に押さえることができる」と期待されたのである。

資源エネルギー庁からは、エネルギー供給面での今後の対策も示された。その一つは、安全の確保を大前提に国民の合意を得るよう努力して、原子力の設備容量を7,050万kWに増設すること。第二には、新エネルギーについては現在の約3倍程度の導入が必要なこと。第三には、自動車や電気機器などを想定しうる限り最高水準のエネルギー消費基準に設定することである。


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