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「基礎物理学実験」「基礎物理学講義」「基礎物理学T」「基礎物理学U」 ), 「社会とエネルギー資源」「教養ゼミ」,「各学年のゼミ」,「特別実験・実習」などについて,各単元ごとの“ミニマム”あるいは各タームの“まとめ” を掲示しました。


基礎物理学T
1999年度前期の講義では,各回の講義ごとにミニマム課題≠掲載します(「ミニマム」は最低限の≠ニいう意味です)。以下においてミニマム課題≠ヘ “――である体” で書いてあります。相当な計算なしでは答えの出せない発展的な問題は(そのような問題はめったにありませんが),たいてい省略してあります。また紙数の関係から,その根底にある考え方を含む詳しい説明の必要な問題についても,ここで完全な掲載を約束することはできません。

基礎物理学を受講するに際しては,うかつにも『これは高校物理かな?』と思っていると知らないうちに『どこから大学物理になったんだろう??』ということになりかねません。そもそも自然科学に高校用も大学用もあろうはずがありません。そのようなグレード差ができるのは,計算に対するわずかな慣れの程度ぐらいなものです。大学で必要な物理は大学で採り上げたいと思います。いま自分は本格的に物理と取り組んでいるのだという一所懸命さをたぎらせ続けてください。

物理がわかるというのは物理的な概念がわかるということです。そのため,なるべく身近な実例を用意し考察のきっかけをつくるようにしてあります。数学的な道具立てについては,とくに学習者のなかに高校課程から大学課程への過渡期の者が含まれることを考慮しました。物理学を教えるために数学を使うことはありません。とは云え物理学の方法の核心をなす流れは,『物理概念の計量化』→『測定(実験)』→『数学を使っての分析』です。数学は物理的な概念を理解するのを助けてくれることもあるのです。教室ではニュートンが用いた微分学の“はしり”のようなものなどを黒板に向かって書くことがあります。それは学問展開の深部にふれるためです。

この授業について「講義方針に関するページ」を設けましたのでご覧ください。なお,力学の教育方針として「運動量からの展開」を確立するうえで,日立第一高等学校の根本和昭先生のご協力をいただきました。


基礎物理学Tの講義要録≠ニミニマム課題
第1講:近代科学への道のり
  • 今日のいわゆる物理科学≠ノつながる出来事を概観します。人間が科学的な研究態度を確立するうえで,宇宙的視座―宇宙に眼を開くこと―が是が非でも必要となった背景を理解します。また科学的≠ニはどういうことか,ガリレオ=ガリレイに始まったとされる科学的研究の方法を訪ねます。外国語から翻訳された『科学』の意味と比較し,わが国における現代語としての意味も考えます。

  • 「つり合い」を決定づける重要な量について学びます。「力」や「トルク(力のモーメント)」の作用,「力のつり合い」や「トルクのつり合い」を学習,あるいは学習したことの確認をします。さらに,“綱引き”や“天秤(てんびん)”の均衡が破れたときバランスを失ったとわかるまでには時間がかかる,といった身近な現象をとりあげます。これは力やトルクは時間をかけて作用する≠烽フであること,あるいは端的に言って,その働きまたは作用とは時間との積≠ナあることを理解するためです。

    • 化学の基本法則といわれるものには,どんな法則があるか。

    • 落体に関するアリストテレス(Aristoteles:BC384-322)とガリレオとニュートンの考えを比較せよ。

    • 力やトルクの作用,とくにそれらのつり合いについて,いろいろな状況にあたって考察せよ。

    • 《トルク》では力点,支点,作用点の位置関係,および作用線の方向が重要である。この違いで分類される3種の“てこ”と,支点を2つ持った“てこ”,および輪軸,滑車について“てこの原理(法則)”を確認せよ。

第2講:運動量と力積
  • 近代科学の基礎がつくられたといわれる17世紀,デカルトは人間の自然に関する新しい,しっかりとした知識を探し求めました。彼は物理学の言葉が数学であることを証明しようと努力し,ガリレオが地球周回にこだわった慣性の原理≠直線運動で正しくとらえ直すことによりいっそう明確なものにしました(慣性の法則)。また今日運動量保存の法則≠ニよばれているものは,宇宙にある全「運動の量(勢い)」は一定である≠ニいう彼のことばにも表れています。

  • 「運動の表し方」の学習として,2体衝突の例を引き合いに「“変化する”運動の量」と「“変化しない”運動の量」の“発見”学習から始めて,例として取り上げた現象の考察をもとに「運動の3法則」の導入(実質的な展開)へとつなぎました。予定では,この導入部分に「自由落下を“重力の力積”で“運動量”が増す現象ととらえる」考察過程を入れるつもりでした。

    • 物理量の「基本量」と「誘導量」を理解したら,次に,いろいろな「誘導量」の単位をすべて「基本量」の単位の組み合わせで表現してみよ。

    • 月面での重力は地球表面での重力の約1/6にすぎない。このように重力≠ワたは重さ≠ヘ場所によって違うので,物体固有の量である質量≠ニは異なるものだ(本当をいうと質量≠ナさえ物体固有のものではない,ということがブラックホールでみられるのだが)。実際に重力の比が1/6であることを確かめてみよ。月は地球に比して質量が約1/80,半径は約3/11であり,それぞれの天体での地表における重力は天体質量に比例し,天体半径の2乗に反比例することを使えばよい。月や地球は大きいけれども,重心に全質量が集中していると考えて差し支えない。

第3講:運動をとらえる
  • 「運動の表し方」を確実に体得するために,前時の2体衝突に続いて自由落下の例を引き合いに「“運動量の変化”と“力積”の関係」の“発見”学習につとめ,取り上げた現象例の考察をもとに,「運動量の保存」をまとめました。そして,もし君がどんな物体でも1kg ごとの要素から成っていると想像することができるならば,「速度」や「加速度」はそれぞれ,物体の「単位質量が持つ運動量」や「単位質量にかかる力」であると理解できただろうと思います。

  • 「速度」や「加速度」に対するこのような理解は,ちっとも変てこりんなことではありません。これはちょうど,「比熱」を物体の「単位量が持つ熱容量」であるというのと同じ関係にあります。

  • 『熱現象では測定にかかるのが「熱容量」だから,山本先生のいうことはよくわかるのだけれど,物体の運動ではこれと異なり,「速度」を測定してから質量をかけて「運動量」を求めるのではありませんか?』,という君には「速度」をどうやって測るか質問しよう。よく考えてご覧――ブラックボックスで包み隠された測定器なんか何も用いないで速度を測定できるかい? でも,「運動量」は簡単に測定できる,しかも抽象的でなく,かなり直感的に理解できるよ。

  • 同時に,この辺りで《慣性質量》についてもしっかりと確認しておきたいね。第1講で,『“綱引き”や“天秤(てんびん)”でつり合いが成立しなくなったとき有限の時間をかけて均衡が破れていく』と述べました。あれは,“綱引き”では敵側の慣性質量が重要だと云っていたのであり,“天秤”は慣性質量を測定するものだと示唆していたわけです。ところで“重力質量”はどのような秤(はかり)で測るのですか?

第4講:落体の法則と万有引力
  • ガリレオの落体の法則とニュートンの万有引力の法則との共通性を学習しました。おもしろい例として,月の“落下”を地表でのリンゴの落下と比較して考えました。

     地上でリンゴが落下する≠ニいうのは,重力のなすがままにリンゴが運動するということです。このことは水平投射や斜方投射による放物運動でも変わりません。他方,ほぼ円に近い軌道をまわる月が落下している≠ニいうのは,地球に向かって働く中心力のなすがままに月が運動しているということです。力の中心に向かって落ちていくことに変わりはないのです。理解を容易にするため,次のような探究のプログラムを用意しました。リンゴの自由落下→モンキーハンティング→第一宇宙速度とモンキーハンティング→地球が月を引く重力と重力加速度→月の落下というふうに考えましょう。

  • 地上の例として放物体の運動を考えました。水平投射または斜方投射された物体のその後の運動は,慣性の法則と自由落下の考察の延長線上にあります。

    • 月は1秒間に何bずつ落下しているか,地上におけるモンキーハンティングと同じ考え方で求めよ。ただし,地球に向かう落下の重力加速度≠用いて,落下距離=(1/2)加速度×時間2が成り立つ。落下の重力加速度は万有引力の法則から求められる。
    • 次に上記とは異なる方法で月の落下を求めよ。まず軌道の絵を描き,直角三角形にピタゴラスの定理(三平方の定理)を適用せよ。ピタゴラスの定理から求めた式を,1秒は1周期29日=29日×24(時間/日)×60(分/時間)×60(秒/分)と比べてたいへん小さい事実を使って簡略化し,落下距離を導き出せ。最後に,結局この2方法は等価であることを確認せよ。

第5講:いろいろな力積と運動をとらえる
  • 「いろいろな運動のとらえ方」

    • 課題として,「運動の法則」に関する問題と「慣性の法則」に関する問題を考えて来てもらうことにした。

第6講:力学的エネルギー保存の法則
  • 第6講は“仕事”と“エネルギー”についてです。「もう一つの運動の勢い=vから始まり,「エネルギーの原理」の学習を経て「力学的エネルギー保存の法則」に到るものです。前時の「いろいろな運動のとらえ方」についても復習しました。
    • 運動の法則(作用と反作用の法則)に関する問題を解け。
    • 力学的エネルギー保存に関する問題もいくつか。

第7講:保存力と保存力場
第8講:慣性系と非慣性系
  • 慣性系と非慣性系

第9講:トルクと角運動量(質点〜剛体の運動)
  • まず“トルク(力のモーメント)”の概説を通して“トルク”を想い起こし,“トルク”の有る無しを考えます。物体系にトルクがかかっている¥鼾といない¥鼾とで,系の角運動量のふるまいはどう違うのでしょうか? 次にはじめて“角運動量”を定義し,その変化とトルクとの関係把握につとめ回転の運動方程式を導きます。角運動量にはどのような応用法があるのでしょうか? こういったことを学びます。

  • 私たちは“角運動量”の登場で,“運動量”と呼んでいたものが実は“直線運動量”であったことを再認識します。“エネルギー保存則”と“運動量保存則”に加え,この世界のしくみを解き明かす第3番目の重要な保存法則が“角運動量保存則”です。

    • 回転している独楽(こま)や走っている自転車が横に倒れないのはなぜか? 自転しているフィギュアスケータがギュッと手を縮めてスピンを効かせることが出来るのはなぜか? あるいは,台風が近づくにつれて風速が速まるのはなぜか? などについて考察せよ。

第10講:ケプラーの法則
  • 空気抵抗のない宇宙で運動する火星などの観測資料からケプラーによって発見された経験法則は,楕円軌道の法則,面積速度一定の法則,および宇宙の調和の法則です。

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希望者には,教室での説明とはべつに詳細な学習のガイドライン(助言)を示しますので,早めに申し出て下さい。

言葉ではわかりにくくても,現象を見てわかったということはよくあります。そのような工夫をインターネット上に紹介している例として,

コンピュータをどのように教育に生かすかということに関しては,

など,またその他にもリンクのページに挙げておきましたので,学習することがらに関連した現象のイメージを描きたい人は参考にしてみてください。

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