2026.09.19
#Event
児島虎次郎研究「虎次郎物語-学生時代-」展
倉敷芸術科学大学加計美術館では、令和8年(2026年)9月20日(日)から10月12日(月・祝)まで、児島虎次郎研究「虎次郎物語-学生時代-」展を開催します。
本展は、児島虎次郎の生涯と芸術活動を現存する一次資料から再検証する「児島虎次郎研究」の一環として、東京美術学校(現・東京藝術大学)で学んだ学生時代から、ベルギー・ゲント王立アカデミーへの留学時代までに焦点を当てるものです。
今回特に注目されるのが、大原家に残る児島虎次郎から大原孫三郎に宛てた書簡です。これらは2025年、2026年に刊行された『大原芸術研究所紀要』第1号・第2号で、水島博氏(公益財団法人有隣会研究員)と柳沢秀行氏(公益財団法人大原芸術財団シニアアドバイザー)によって紹介された資料です。
書簡は、1902年(明治35年)から1907年(明治40年)にかけて書かれたもので、東京美術学校西洋画科選科に入学し、大原家の奨学生となった当初は、奨学金の領収や礼状が中心でした。その後、美術学校での学習や指導教官についての報告、制作やデザインの仕事に関する相談などへと内容が広がり、虎次郎の成長とともに大原孫三郎との関係が深まっていく様子が読み取れます。
また、書簡からは、岡山孤児院を運営した石井十次、東京美術学校の指導教官であった藤島武二、実業家の林源十郎らとの交流も明らかになります。さらに、虎次郎が学生時代からキリスト教や聖書にも関心を持っていたことなど、これまで十分に知られていなかった一面も浮かび上がります。
本展では、こうした書簡とともに、これまでまとまって紹介される機会の少なかった学生時代のスケッチ・素描を中心に、写真、スケッチブック、メモ、絵画資料等を展示します。作品だけでなく一次資料を相互に関連付けることで、「画学生・児島虎次郎」が何を学び、誰と交流し、どのように画家として形成されていったのかを紹介します。
加計美術館では、令和5年(2023年)に「虎次郎 素描(デッサン)のススメ1919」展を開催し、主に留学時代の素描を紹介しました。本展ではさらに時代を遡り、東京美術学校時代から留学に至るまでを対象とすることで、児島虎次郎の芸術形成の過程をより深く検証します。

