【動物生命科学科】2016年度オーストラリア研修報告 (2016.09.05-11)

報告:助教 村尾信義(動物看護学研究室)

本学科では、学生の語学力の向上と国際感覚を養うことを一つの目的として、希望者を募って海外研修を行っています。

昨年度までは、本学卒業生が留学する本学園海外提携校のフィリピン国立大学獣医学部(フィリピン・ロスバニョス)に学生を派遣していました。本年度は、オーストラリアのブリスベンに所在する本学園海外提携校の動物看護師養成機関 Animal Industries Resource Centre(AIRC)を訪問しました。

(写真1)ケアンズ国際空港に午前4時15分(現地時間:時差+1時間)に到着しました。この後、国内線に乗り換え、ブリスベン空港に向かいました。

オーストラリアの動物看護師は、Certificate IV in Veterinary Nursingという政府認定の資格(national qualifications)を取得して働いています。この資格は、イギリスやニュージーランド等の国々においても適用される国際資格としても認められています。

AIRCでは、経営者のMark氏とSue先生、動物看護師の評価を行う資格を有するAIRC役員のMik先生、Tania先生、Tracy先生らに歓迎会を行ってもらいました(写真2)。

(写真2)歓迎会では、代表のSue先生からこれを機に両校の交流をさらに深めていきたいとの歓迎の言葉をいただきました。

チーム獣医療の先進国であるオーストラリア(ブリスベン)のAnimal Emergency Services(動物救急医療センター)とVeterinary Specialist Practices(獣医専門医動物医療センター)を訪問しました(写真3)。今回は、緊急外来の多い夜間の診察に立ち会いました。両病院の案内は、動物看護師の責任者のJaneさんに行ってもらいました(写真4・5)。学生は、動物看護師と獣医師(写真4の左上)との連携を目の当たりにして、動物看護師の役割を学びました。

(写真3)獣医専門医動物医療センター(Veterinary Specialist Practices)の敷地面積は広く、診察室は11室あり、内科、外科、眼科、画像診断科、心臓病科、腫瘍科、理学療法科などの専門医がおり、各専門科に複数名の専門の動物看護師がいました。病院には、X線室、MRI室、手術室2室(動物救急医療センターには3室)などがありました。

(写真4)動物救急医療センターにおける動物看護師の業務や役割を学びました。写真左上のveterinary stationにいる獣医師からの指示を受けて、動物看護師が大半の実務を行っていました。

(写真5)入院する犬に対する看護の方法についての説明を受けました。学生は、誰が担当しても同じ看護を提供できる体制について興味深く聞き入っていました。

ブリスベンにあるRSPCA(王立動物虐待防止協会)の施設(写真6)及び動物病院(小動物・野生動物)にて研修を行って来ました。

(写真6)2012年2月にオープンしたRSPCA(王立動物虐待防止協会)のAdoption Centre(譲渡センター)

RSPCAの動物病院(Veterinary Services)では、総責任者のAnne先生から1883年にクイーンズランド州に本施設が設立された背景について説明してもらいました(写真7)。譲渡は、犬や猫のみならず、馬、鶏、鳥類、爬虫類等も行っていました。  獣医師長のLynne先生と動物看護師長のTanyaさんからは、獣医師と動物看護師とのチームワークによる医療体制を教わりました(写真8)。また、Wildlife Hospital(野生動物専門の病院)では、固有種のヘビとトカゲのハンドリング、鳥類の看護などを教わりました(写真8、9、10、11)。

(写真7)Anne先生からは、本施設の沿革や取り組み、虐待を受けた動物の治療や保護、譲渡活動などについて説明してもらいました。施設の年間経費の99%は、寄付金と地域の支援で行われています。

(写真8)学生は、オーストラリアにおける動物看護師の業務内容や役割についての説明を受け、いかに重要な存在であるかを実感していました。院内の環境づくりも治療の一環というだけあって、子犬専用の入院室の床は青く、動物が診察台を背負っていたり、ケージ内部がカラフルになっていたりと遊び心がみられました。

(写真9)オーストラリアに生息する爬虫類の生態とハンドリングについて学びました。写真の動物は、固有種のBearded Dragon Lizardです。Wildlife Attendant(爬虫類専門)のShannonさん(写真手前のトカゲを持っている方)からは、トカゲの四肢が木に見立てた腕に挟めるように置くと安定して落ち着きやすいと教わりました。

(写真10)毒をもたないヘビ(固有種)のハンドリングは、体を2カ所で支えるとヘビがリラックスすると教わり、実技を行いました。この体験を通じて、硬そうにみえるヘビの体はとても軟らかく、性格が穏やかであることも学びました。

(写真11)ここは、鳥類の入院室です。鳥類専門の動物看護師Danさん(写真中央の男性)が持っている鳥は、固有種のKookaburra(ワライカワセミ)で、窓ガラスに激突しケガを負ったという通報を受けて保護したそうです。