生命科学科の山野研究室から、岡山の名産品「ママカリ」(サッパ)の遺伝的集団構造についての論文が出版されました(2021.09.29)

生命科学科の山野研究室と長崎大学大学院水産・環境科学総合研究科の柳下研究室の研究グループにより、ママカリ(サッパ)の遺伝的集団構造についての論文が、 Fisheries Science 誌(日本水産学会発行)に掲載されました。本論文には、平成 30 年度に生命科学科 4 年生として山野研究室に所属していた松本真宜さん(愛媛県立松山中央高等学校出身)の研究成果が含まれています。

「岡山のママカリにみられた特別な系統」
ママカリは、岡山県の郷土料理や名産品として知られていますが、岡山県における漁獲量は以前の半分以下に減少しています。ママカリ資源を回復するためには、資源の変動単位となる集団を明らかにし、それぞれの集団に適した管理や保全の対策を考える必要があります。
そこで、日本周辺におけるサッパの遺伝子を分析したところ、瀬戸内海と有明海にだけ、15~20 万年ほど前に分化した中国大陸を起源とする系統(大陸沿岸性遺存系統)が存在することが分かりました。さらに、この特殊な系統は特に岡山県で高頻度に見られたことから、他の系統よりも美味しいなど、ママカリが岡山県の名産品となったことと関係があるのかもしれません。

大陸沿岸性遺存種は、貝類や甲殻類では多く知られていますが、魚類では数種しか知られておらず(例えば、有明海のムツゴロウやワラスボ)、その多くは個体数が激減しています。岡山の伝統的な食文化を保護し継承するためには、サッパという種、そしてこの貴重な系統を護っていく必要があります。

Yagishita N, Kumashiro M, Matsumoto M, Yamano H (2021) Genetic population structure of Japanese sardinella Sardinella zunasi around Japan. Fisheries Science, doi 10.1007/s12562-021-01554-1.

https://link.springer.com/article/10.1007/s12562-021-01554-1

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