動物生命科学科Department of Comparative Animal Science
【農林水産省Webサイト】
http://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/doubutsu_kango/index.html
【環境省Webサイト】
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/index.html
【愛玩動物看護師法案要綱】
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/youkou/g19805018.htm
【愛玩動物看護師法案】
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g19805018.htm
人と動物を取り巻く問題を学び、
動物看護師を中心とする動物関連のスペシャリストを育成。
人と動物を取り巻くさまざまな問題を総合的に学び、動物関連で活躍できるスペシャリストを育成するほか、生命科学の基礎技術者としてライフサイエンスの分野で活躍できる人材も育成します。動物看護、動物実験及び人間動物関係学の3つの分野から動物業界の専門技術者を育て、社会に送り出しています。
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この学科の特徴
動物科学技術を学ぶ
動物科学技術 Animal Science and Technology を学ぶということは、科学的根拠に基づいた技術をもって動物に関わるということです。
経験や勘だけに頼る技術ではなく、生命科学を基礎から応用までしっかりと学ぶからこそ身につけられる技術が今、世界で必要とされています。
動物科学技術は動物に関わる多くのプロフェッショナルに共通して要求される能力です。私たち動物生命科学科では、これらをさらに動物看護学、動物実験学及び人間動物関係学という3つの分野に昇華させていきたいと考えています。
人と動物、人と人とのコミュニケーションを大切にし、技術者としてのみならず社会人として優秀な動物看護師および実験動物技術者の育成を目指します。
さらに本学は一般社団法人 日本動物保健看護系大学協会にも加盟しており、全国的な動物看護学教育の発展にもさらに貢献していきます。また、協会としての活動成果を本学の教育にフィードバックすることで、さらなる向上を図っていきたいと考えています。

学科における目的
急速に変化しつつある現代社会に新たな視野を持って対応し、動物と人間の関わりの領域を中心に、より良い社会環境、生活環境の構築の為に働くことの出来る人材の養成を目標とする。
「教育動物病院」で専門的かつ実践的に学ぶ
動物看護には、獣医師をサポートする高度な知識や技術はもちろん、飼い主とのコミュニケーション能力も必要です。本学科では、動物看護師が動物医療の現場で真の専門職として活躍することをめざし、付属する教育動物病院施設を利用しての実習を充実した講義と組み合せて実施。さらに「臨床実習」では、実際の外来診療に参加し、それぞれの分野を担当する指導教員から専門的な指導を受けます。学んだ知識や技術をどう活かすのか、「考える動物看護師」になるための環境が整っています。
科学研究の進歩や、医療の発展に貢献する。
製薬会社などで、動物実験によりその製品の安全性を確認、分析、評価する実験動物技術者。動物を使用した研究の成果は、科学研究や医療の発展に貢献するものです。本学科では、実験動物技術者に求められる動物の適切な飼育管理や取扱のみならず、苦痛の軽減に配慮した方法についての知識も深めます。また、動物看護の視点を持って動物実験に向きあえる技術者を育成しているところに本学科の特徴があり、動物福祉について広く深く考えられる専門教育を展開していきます。
アニマルセラピーを軸に地域で活躍する人材を育成する。
私たちにとって動物はどのような存在なのか、動物看護師は理解を深めておく必要があります。それらを学ぶ学問が「人間動物関係学」です。私たちの日常生活や医療・福祉・教育などの分野を中心に人間と動物(ペット・使役犬・動物園動物・野生動物など)の関係を学ぶ多分野にまたがる学問です。対象者の笑顔をつくるために動物を介入する活動は、アニマルセラピーとして知られています。それらの効果を体験しながら、動物看護師としての知識の幅を広げることを目標に実践的な学びを展開していきます。
認定動物看護師資格とのダブルライセンスを目指す
本学科には、日本の認定動物看護師資格と並行して、在学中にオーストラリアの動物看護師国家資格を取得するプログラムがあります。もちろん英語での筆記試験、口頭試問、実技試験など高い英語力が要求されますが、取得すれば野生動物の宝庫であるオーストラリアを始めイギリス連邦の国々で働くことができる非常に価値ある資格です。本学科では既に3名が、この国家資格を取得して卒業しています。今年度も4年生4名が挑み、見事に全員全コースを修了しました。英語の好きな人、海外で働きたい人はチャレンジしてみませんか。
理科の教員免許や博物館学芸員資格を取得する
本学科では、中学校および高等学校の理科教員免許を取得することができます。また、平成30年度入学生からは博物館学芸員資格も取得できるようになりました。これらの資格は4年制大学でしか取得できない資格です。これまで認定動物看護師受験に必要な科目数が多かったため、教員免許を取得することが時間的に難しく、理科の教員免許は、毎年2~4人の学生が取得する程度でした。しかし動物看護師教育カリキュラム改定に伴う科目のスリム化に伴い、平成31年度入学生から動物看護師受験に必要な科目数が少なくなるため、より多くの学生が教員免許や学芸員資格を取得できるようになります。
国際的な視野と感覚を身につける。
動物に関わる分野は当然、日本国内に限定されたものではありません。諸外国における文化や宗教の違いは、動物と人の関わりにも大きな影響を与えます。私たちは様々な講義や研修を通して、国際的な視野と感覚を身につけることで、国際社会においても「動物関連のスペシャリスト」であるべく、研鑽を重ねています。
動物生命科学科カリキュラム
※下記は2020年度のカリキュラムです。進行年次により変更になる場合があります。
1年次
動物医療や生命科学を学ぶ上で基礎となる科目を中心に、専門職として不可欠な倫理や法規についても学びます。
専門基礎科目 |
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専門科目 |
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”動物機能形態学”はこんな内容
動物の構造と機能を総合的に捉え、動物の体の仕組みを学びます。この講義では動物の体の構造を学ぶ解剖学と、動物の機能を学ぶ生理学を融合することで、体の部位、臓器ごとの構造と機能を網羅的に学習します。本学科では動物機能形態学を血液および免疫系、筋骨格・神経系、呼吸器・循環器系、消化器・生殖系で4つに分け、複数の教員で各分野を担当しています。そして各分野の担当教員が機能検査に関する講義、動物の機能障害と動物看護に関する講義も担当しています。こうすることで動物機能形態学から機能検査、機能障害および動物看護までを一人の教員が一貫して教育することができる。これが本学科の特徴の一つです。
(准教授 湯川)
”動物福祉論”はこんな内容
「福祉」という言葉を聞くと何を想像するでしょうか?「福祉」とはもともと「しあわせ」という意味を持ちます。「動物福祉」とは「動物のしあわせ」について考える授業です。動物と言っても家庭で飼育されている伴侶動物、動物園で飼育されている展示動物、食用にされる産業動物、科学に利用される実験動物、さらには野生動物までいます。私達人間は動物達の「命」に責任を持たなければいけませんが、「動物のしあわせ」を考えながら動物の「命」に責任を持つというのはどういうことか深く考えることを授業の目的としています。(助教 岡本)
2年次
動物看護・動物実験の根幹を成す科目を履修。基礎と実践をつなぐ重要な内容を講義と実習の両方から学びます。
専門基礎科目 |
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専門科目 |
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その他 |
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”動物臨床検査学・実習”はこんな内容
人間の場合は、発熱や呕吐など客観的にわかるサイン(症状)と、たとえば胸が痛い場合にどのように痛いのか、圧迫されるような痛みや刺すような痛みといったように、本人にしかわからないサイン(症候)の両方によって病気が判断されます。ところが、動物は、人間のように言葉を使って、どこがどのように痛いというような症候を説明できません。つまり、食欲や元気がなくなったり、咳や鼻水を出したり、吐き気を催したりといった症状でしか判断できないのです。そこで重要になるのが、動物の状態に応じた検査です。
講義や実習では、動物の血液や尿、糞便などの検査、動物の体そのものを対象に行う心電図や眼科、神経学的な検査、遺伝子の検査など様々な臨床検査の意義、原理、方法を理解しながら、実際に検体や測定機器の正しい扱い方についても学びます。(講師 村尾)
3年次
講義・実習のいずれも、より実践的に学びます。動物臨床や研究の現場で求められる技術と知識を修得します。
専門科目 |
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その他 |
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”動物行動心理学”はこんな内容
自分のペットやいろいろな動物のこころが知りたい、動物たちが何を考えているかわかれば、それに合った対応ができて、動物たちともっと豊かな関係をもつことができるだろう…と、動物に関わる経験をもつ多くの人が考えています。それを理解するためには、動物がどのような行動レパートリーをもち、いつ・どのような目的でそうした行動をするのかなど、行動の意味・成立メカニズムを知る必要があります。人に都合のよい擬人的な解釈ではなく、客観的に動物の行動が理解できるようになることを授業の目的としています。(教授 唐川)
"動物外科看護学実習"はこんな内容
本実習は、動物外科看護学をはじめ、それまでに学習した内容を包括しており、さまざまな知識や技術が求められます。「術前」、「術中」、「術後」の3つのフェーズより成り立っており、それぞれにおいて考える力が必要となります。刻々と変化する局面の中で、予見ともとれる、全体の状況とそれの流れを理解することおよび、動物の状態を把握する能力の修得を目標としています。よって、動物に発生した重大な問題を短期間に解決するストーリーが得られるという外科の特徴を活かした実習となります。(准教授 武光)
4年次
さまざまな実践の機会を通じ、「考える力」や「伝える力」、「問題を発見・解決する力」を身につけます。
専門科目 |
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その他 |
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"臨床実習"はこんな内容
機能形態学のような基礎的な科目から、動物臨床検査学や動物外科看護学実習のような臨床的な科目までの集大成がこの臨床実習です。この実習では、教育動物病院での実際の診察や手術に立ち会います。教員の指導のもと、診察時には獣医師の補助や臨床検査、飼い主の方とのコミュニケーションを実践し、手術時には外科手術だけでなく、麻酔や疼痛管理、入院管理など多岐にわたる業務に動物看護師として関わります。(准教授 湯川)
関連施設一覧
教育動物病院
教育動物病院は、地域の動物病院からの紹介症例を中心とした二次病院としての機能だけでなく、本学科学生の実習の場としても活用されています。練習しかできない模擬病院施設とは異なり、来院される方々と挨拶を交わし、入院患者への看護を目の当たりに出来る貴重な施設です。また、機器設備も十分に整っている事から、将来の動物看護師を目指す学生たちのための臨床研究施設としても活かされています。教育・臨床・研究を実践し、ソフト・ハードともに充実した病院施設を目指します。

教育動物病院外観

教育動物病院受付

診察室

手術室
倉敷芸術科学大学教育動物病院では伴侶動物への二次診療を行っています。診療を希望される方はこちらをお読みください。
教育動物病院、診療のご案内はこちら
動物実験室
動物実験室は、前室、実験室、実験動物飼育室、洗浄室より構成されており、マウスやラット等の小型実験動物(SPF)を飼育することができます。全学共通の動物実験室として機能しておりますが、本学科学生の教育の場としても活用されています。本学科は社団法人 日本実験動物協会より実験動物一級技術者受験資格特例校として認定を受けています。将来実験動物技術者を目指す学生達は、「施設利用者としての視点」ではなく「施設管理者としての視点」を身につけることを目標として、日々ここで技術者としての基本である実験動物の飼育管理や衛生管理に取り組んでいます。



就職進路先・資格
動物病院をはじめとする医療分野はもちろん、ペット用品を取り扱う企業など幅広い就職先が想定されます。また大学や企業の研究機関で、生命科学の進歩に貢献する調査・研究に取り組むことも可能です。
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- 本学科
- 内定率 100%
- 就職率 97%
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- 2018年度全国平均(厚生労働省調べの数を元に算出)
- 内定率 97.6%
- 就職率 74.2%
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- ※内定率 = 内定取得者(正社員)数/就職希望者数× 100 (%)
- ※就職率 = 内定取得者(正社員)数/(卒業生数-進学希望者等)× 100 (%)
就職・進学
平成30年度
動物病院 18名
まさき動物病院、百合動物病院、はなみずき動物病院、レオ動物病院、森動物病院、やすかわ動物クリニック、かもい動物病院、代官山動物病院、アニマルメディカルセンター、井笠動物医療センター 小出動物病院、ASAP動物病院、桃園動物病院、花えみ動物病院、ACC福山総合動物医療センター、西向日動物病院、ペットドクター動物病院、もうり動物病院(順不同)
動物関連企業 3名
株式会社アワーズ(アドベンチャーワールド)、イオンペット株式会社、日本全薬工業株式会社(順不同)
実験動物関連企業 5名
ハムリー株式会社、株式会社 新日本科学、株式会社ジェー・エー・シー、日本バイオリサーチセンター(順不同)
畜産系 3名
藤原牧場(笠岡)、吉浦牧場(島根)、株式会社 鳥渕牧場(ウシ)(順不同)
動物保護施設 1名
ピースワンコジャパン
養鶏場 1名
株式会社アキタ
公務員 1名
広島県警
一般企業 6名
備北信用金庫、独立行政法人 国立病院 中四国グループ、神戸老人ホーム、田坂鋼業株式会社、吉田オートサービス、株式会社 延田エンタープライズ(順不同)
資格
認定動物看護師(動物看護師統一認定機構)
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- 平成31年度 37/37 (100%) 合格
- 平成30年度 35/36 (97.2%) 合格
- 平成29年度 37/37 (100%) 合格
- 平成28年度 61/66 (92.4%) 合格
- 平成27年度 21/22 (95.5%) 合格
- 平成26年度 59/64 (92.2%) 合格
- 平成25年度 58/64 (90.6%) 合格
- 平成24年度 77/78 (98.7%) 合格
- 平成23年度 89/89 (100%) 合格
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実験動物一級技術者(筆記)
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- 平成31年度 1/4名 (25%) 合格
- 平成30年度 12/17名 (70.6%) 合格
- 平成29年度 8/17名 (47.1%) 合格
- 平成28年度 11/15名 (73.3%) 合格
- 平成27年度 12/24名 (50.0%) 合格
- 平成26年度 4/5名 (80.0%) 合格
- 平成25年度 18/20名 (90.0%)合格
- 平成24年度 17/24名 (70.8%) 合格
- 平成23年度 15/19名(78.9%)合格
- 平成22年度 12/29名(41.3%)合格
- 平成21年度 5/7名(71.4%)合格
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実験動物一級技術者(実技)
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- 平成31年度 4/5名 (80%) 合格
- 平成30年度 6/13名 (46.2%) 合格
- 平成29年度 3/10名 (30.0%) 合格
- 平成28年度 3/11名 (27.3%) 合格
- 平成27年度 5/6名 (83.3%) 合格
- 平成26年度 4/9名 (44.4%) 合格
- 平成25年度 8/13名 (61.5%)合格
- 平成24年度 6/7名 (85.7%) 合格
- 平成23年度 0/4名(0.0%)
- 平成22年度 1/8名(12.5%)合格
- 平成21年度 2/4名(50.0%)合格
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ペット栄養学会認定ペット栄養管理士
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- 平成27年度 14名 合格
- 平成25年度 15名 合格
- 平成22年度 3名 合格
- 平成21年度 14名 合格
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エックス線作業主任者
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- 平成26年度 1名 合格
- 平成25年度 3名 合格
- 平成22年度 19名 合格
- 平成21年度 11名 合格
- 平成20年度 5名 合格
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その他取得資格
愛玩動物飼養管理士、普通第一種圧力容器取扱作業主任者、毒物劇物取扱作業主任者